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スポーツ×デジタルマーケティングの現在位置を探る

地道な地上戦と周囲の巻き込みで満員達成!Bリーグ「茨城ロボッツ」のマーケティング戦略に迫る

地道な地上戦に加えた秘策とは?

森岡:それは、ロボスケのエネルギーがたまる「5,000人メーター」というプロジェクトです。ロボスケはロボットをモチーフにした茨城ロボッツの公式キャラクターで、ロボスケのエネルギーと集客状況がリンクした特設サイトをオープンしました。

森岡:サイトをオープンしたことが重要なわけではなく、このように5,000という数字を目指していることをファンの方や地域の方に明かし、この目標を一緒に達成しようと促す狙いがありました。

 「5,000人メーター」以外にも、オープニングゲームまでの期間にSNSでカウントダウン投稿を行うなど、周りの方が関与したくなる設計を心がけていました。

平地:確かに、こういった施策がオープニングゲームの特別感を演出していくと言えますね。ちなみに、通常の試合に来ているファンの方に対して何かアプローチはしていましたか。

森岡:既存のファン向けには、早期購入特典として「4.6記念ビアタンブラー」をプレゼントするキャンペーンを実施しました。早く申し込んでもらう、友達を誘ってもらうといった狙いもありました。

集客5,000人を達成、その他にも恩恵が

平地:それでは、施策の結果について教えてください。

森岡:4月6日の来場者数は5,041名(立ち見含む)となり、無事掲げていた2つの目標を達成することができました。一部小中学生の招待などもありましたが、新規層への認知・関心が高まった結果の表れだと感じています。

 この日の売上に関しても、チケット・グッズ・飲食のすべてにおいて3倍以上の成果となっていました。また、この試合をきっかけにアリーナ内で飲食を出したいという事業者様からもお問い合わせが来るようになりました。アリーナ内のグルメは非常に重要なので、こういった事例が作れると声もかかるのだということがわかりました。

平地:通常時の倍以上の来場者数だと思いますが、反応はいかがでしたか。

森岡:試合中の一体感が全然違いましたね。ファンの方にとっては特別な光景だったと思いますし、民間企業や行政を含めて協力いただいたので、多くの方を巻き込んだからこそ生まれた結果だと思っています。

 クラブにとっても自分たちが誇らしいと思えるものが作れたので、非常に良い取り組みになりました。

平地:オープニングゲーム以降の試合への波及効果はありましたか。

森岡:後の4試合の来場者数は約3,000名と、通常よりも多かったので十分な波及効果があったと考えています。

平地:来場したときの経験が非常に良かったんでしょうね。満員感もあると盛り上がりもあって「また来たい!」と思う方も多いはずです。

森岡:事前のプロモーション段階から、5,000という目標数字を塊として見るのではなく、一人ひとりの人として向き合うことを意識していました。たとえば、集客や当日の入場など、様々なところで「嫌だ」「不快だ」と感じさせないよう、初めて来る人にもわかりやすい案内表示や会場スタッフの向き合い方なども考えていました。

平地:今回は比較的リアルでのアプローチが中心となりましたが、茨城ロボッツではデジタルマーケティングを専門にした子会社「M・デジタルマーケティング」を立ち上げられていますね。その背景も良ければ教えてください。

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茨城のデジタルマーケティングを担える存在に

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/04/22 08:00 https://markezine.jp/article/detail/33193

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