茨城のデジタルマーケティングを担える存在に
森岡:背景としてあるのは、茨城のメディア環境です。茨城にはケーブル局を含めて県域全体を対象にしたテレビ局がありません。そのため、県全体にコミュニケーションを取ることが難しい状況です。

その中で、今後可能性があるのがデジタルマーケティングの領域だと考えています。茨城ロボッツのデジタル広告はどのように打つのが正解なのか、効果測定はどうすべきかなど、専門のスタッフを配置しPDCAを回していく環境を整えています。また、そこで得られたノウハウを活かし、茨城の企業のデジタルマーケティングを支援するようなことも考えています。
さらに、茨城ロボッツのオーナーである堀(グロービス経営大学院大学学長の堀義人氏)は2019年11月に茨城放送(ラジオ局)の筆頭株主になり、今後茨城ロボッツがメディアのような役割を果たしていく可能性も見据えています。これまで、メディアがプロスポーツクラブを持つケースはありましたが、クラブがメディアを持つ新たなケースになると考えています。
茨城から全国に情報発信を
平地:デジタルマーケティングの専門子会社や新しいアリーナなど、新たな武器を手にしている茨城ロボッツですが、今後の目標をお聞かせください。
森岡:今後は、地方創生としてのロールモデルとなれるような取り組みを成し遂げたいと考えています。これまでは東京から茨城の情報を拾っていただいていましたが、もっと茨城から全国に情報発信していきたいと考えています。
また、茨城の方をターゲットに広告を出稿したいといったニーズがあれば、そういったところにもスポンサーメニューなどを用意して対応していきたいです。
プロスポーツクラブには地域を元気にし、盛り上げる役割があると思っています。そこを大事にしつつも、その力を全国に広げていけるよう今後も頑張りたいです。
平地:これまでいろいろなクラブを取材してきましたが、茨城ロボッツは他のクラブとまた違った良さがありますね。新しいことにチャレンジしている印象が強いです。
森岡:オーナーの堀と茨城ロボッツの代表である山谷の手腕もあってか、スピード感と実行力は非常に高いと思いますし、非常に恵まれた環境だとは思っています。
平地:そうですね。とはいえ、今回の緻密な設計に基づいて地道に泥臭く地上戦を展開し、会場を満員にしていく集客方法は非常に参考になる部分だと思います。当たり前だけど、これを実行することが難しいので、ぜひ他のスポーツチーム・団体も参考にしてほしいですね。