CM&交通広告を出した4月のMQL、商談数は?
栗原:テレビCMのクリエイティブには、実際のお客様が出演されてますよね? 「こういうシーンで使ってほしい」というユースケースが明確なので、営業さんが売りやすいんじゃないかなという印象を受けました。
岡本:ありがとうございます。コロナ禍において急遽入社式をリモートでやらなければならないなかで、人事労務の手続きだけがペーパーで残っていた企業様にお願いして、ご出演いただきました。
栗原:なるほど。やっぱり引き合いは増えていますか?
岡本:増えています。4月はリード数、商談総数ともに過去最高でしたね。3,300MQLで商談が500と少しくらい。
栗原:500商談、すごいな。3,300MQLも半端じゃないですね。テレビCMの効果だけでなく、ネット広告や他のチャネルも、テレワーク化によって伸びたりしたのでしょうか。
岡本:オーガニックの検索は増えましたね。実際一番反応が早かったのは交通広告でした。掲出していた期間は1週間ちょっとなのですが、指名検索数が2倍になりました。そこで転換率も維持したので、MQL数も倍になり、合わせ技でテレビCMも打ったので、ベースアップにつながりました。
栗原:交通広告がそんなに効いているのを、初めて聞きました。指名検索は基本的に、商談化率も受注率もコンバージョンも、一番良い。売上と相関があると言われている指標なので、それを倍にするってすごいですね。
“丁寧な説明”の重要性が、BtoBマーケらしさ
栗原:次に岡本さんご自身のことをおうかがいしたいのですが、岡本さんはSmartHRさんに入られる前、GMOクリック証券さんでマーケティング責任者を務められていたと聞いています。BtoCのマーケティング責任者からBtoBのマーケティング責任者に変わって、感じられている違いってありますか?
岡本:大きく違うのは、リードタイムとコミュニケーションの質だと思います。BtoCって購買までの検討期間が短くて、すぐに意思決定できるんです。前職だとサイトに来訪してから3ヵ月ぐらいで決着がついていましたね。
一方SmartHRも含めたBtoBプロダクトは、初めての接点を作ってから意思決定までが長くて。長いところですと1年、2年かけてようやく導入が決まるということもあるので、時間軸がかなり違うと思います。
栗原:なるほど。年単位でのコミュニケーションは、具体的にどのように?
岡本:マーケティング部門がリードを獲得すると、その後は営業フェーズなので、メンバーが定期的に情報のアップデートを積み重ねたりしながら、理解を深めてもらう感じですね。
それからコミュニケーションの質についても、かなり違っていると実感しています。金融の業界ですと、「良いメッセージのバナーを作りました、LPを作りました」ということよりも、相場が動くというような外的要因で、一気にコンバージョンが増えることがありました。
しかしBtoBではそういうことはあまり起きず、基本的には自分たちのプロダクトの価値を、プロセスを踏んで丁寧に説明していくことが、とても重要だと思っています。コロナショックのようなこういう世の中だと、業界・業種によって影響があるのかもしれませんが……。