エクスポート機能を使えば活用法は無限に
いかがでしたでしょうか。データのエクスポートそのものはクリック一発と、非常に簡単であることがおわかりいただけたかと思います。このエクスポート機能、そのままエクスポートするだけでなく、エクスポートしたデータを「再利用」することによって、さらに価値が出てきます。
たとえば、Web担当者の給与査定時にWebサイトのアクセス数をはじめとする各種のデータを考慮するとしましょう。そのときに、Google Analyticsのデータをエクスポートして「Webサイトの通信簿」をExcelなどに取り込むことで、自社の人材評価基準などに合わせて細かい計算をすることが可能になります。その他にも以下のような利用方法が考えられるでしょう。
- 勤怠システムのデータと組み合わせて
社員の勤怠管理システムをAccessで構築している場合、Accessを使って、Google Analyticsでエクスポートしたデータを取り込むテーブルを作ってみましょう。そうすることで、あとは目的に応じたクエリさえ作ってしまえば、たとえば「目標達成数/スタッフの実働時間」を自動計算して社員の労働1時間あたりのパフォーマンスを調べる、といった応用的な使い方もできます。
- ネットショップと実店舗の比較に
ネットショップと実店舗を並行して運営している場合、実店舗のデータは、もちろんGoogle Analyticsでは解析できません。しかし、エクスポート機能を使ってデータを外部に書き出すことで、Excelなどを使い、ネット店舗と実店舗の比較を自分の好きな計算方法で行うことができます。
- ネットショップの分析に
最近のショッピングカートは、月間売上を集計し、そのデータをエクセル形式で出力できる機能を備えたものが出てきています。そういった、売上データのエクスポート機能を持つショッピングカートを利用している場合は、ショッピングカートとGoogle Analyticsのデータエクスポート機能を併用することで、Excelを使って「アクセス数の推移」と「売上高の推移」をグラフ表示し、相関関係を確認するといった分析も簡単にできるようになります。
このように、データをエクスポートすることで、Google Analytics単体では得られない解析をすることが可能になります。
Google Analyticsが提供する解析項目は、あくまで「(考えようと思えば無限に思いつくであろう)アクセス解析結果の一例」です。Google Analyticsの解析データをもとにして、自社の業務形態や評価方法、計算方法に合わせたデータがほしい場合は、エクスポートしたデータを使って加工するしかありません。でも、アイデア次第でいくらでも好きなデータを得ることができる、というわけなのです。
他者とのデータ共有ツールとしてエクスポート機能を使う
エクスポート機能を重宝する場面がもうひとつあります。それは「他者にGoogle Analyticsのデータを見せる場合」です。たとえば、上司に「第3四半期のアクセス数の推移を見たい」と言われたりしたときなどです。
その人にログイン権限を与えて自由に見てもらえばいいのでは?と思う方もいるかもしれません。しかし実際には、Googleアカウントを取ってもらったり、権限を設定したり、Google Analyticsの使い方を教えたりする手間が発生し、涙が出るくらい面倒なのです。そういったときは、他人に見せたいデータのみエクスポートして、メールに添付して送ってしまいましょう。地味な利用法ですが、使う頻度は意外に多いですよ。
さて、今回はここまでです。「Google Analyticsでこんなデータが見られたらいいのに」と悩んでいた方は、ぜひエクスポート機能を活用して、自社ならではのデータ再利用法を開発してみてください。
次回はクリック率の成績を視覚的に確認できる「サイト上のデータ表示」について解説したいと思います。お楽しみに。