人の心や行動を動かす、イベントの組み立て方
以下、具体的にとある3月のリテールマーケティングに特化した企画運営をした時のことを書きます。ただし、これが「マーケティング的に正解であるか」とか、「成果・効果があったか」とか、「再現性があるか」など議論の余地がたくさんあると思っています。読者の方々で咀嚼していただいて、自社・自身にフィットする取り組みに昇華してみてください。
私自身は、昨年1月にヤプリに入社したばかりで、「BtoBマーケティング」においては、素人です。ただし、それまでのキャリアで「人の心や行動を動かす・巻き込むコミュニケーション」については、若干の経験があり、現在の職務においてもその延長で仕事をしているだけです。
「企画ゼロ」の段階からSNSでイベントを告知
私は、1月24日の時点で、3月に開催される幕張でのとある大規模展示会イベントにおいて、ブース内トークイベントを仕込もうとしていました。
#リテールテック ヤプリブースでミニトークしたい人 #bosyu #リテールテック #小売 #登壇 #流通 #リテール #幕張
— 島袋孝一しまこWFH #アプリつくるならyappli (@simakoo1) January 24, 2020
https://t.co/SN65zNuGNI
この時点で、他のBtoBマーケティング担当者さんと異なると思うのが、「個人のSNS」を120%活用していることです。今回は「bosyu」というサービスを使い、「協力者」を募っています。しかし、ここで注意していただきたいのは、リアクションをもらえる関係性を持った「仲間・コミュニティ」を持った上で、日頃からSNSで活動をしているか、です。ここではフォロワーの大小は関係ありません。そこに共感し、アクションをともに取れるパートナー(企業・人)が、日常的にいるか? という点が非常に重要なのです。
イベント企画の段階から仲間を募ることの副産物としては、イベントの告知自体も兼ねていることです。「ヤプリが(島袋が)、3月上旬になんかやるらしいぞ」と、1月末の時点で情報がでていることになります。企画が全部固まってから告知をするとなると、2月中旬を過ぎてから告知開始することになってしまいます。
つまり、「企画がゼロ」の段階で、「告知の初手」まで打ち手として展開できる点が特徴だと思っています。多くの一般企業では、企画が固まった段階で、情報を外に出して行くと思いますが、制作途中の過程をも見せていくことは、「クラウドファンディング」に似ているかもしれません。企画を一人で作るのではなく、共創パートナーと作る。アパレルブランドの「ALL YOURS」では、そのパートナーを「共犯者」と特別感のある表現をしていますが、コミュニティ的発想や双方向の関係性など、「コア」の部分は、近似していると思っています。
企画書は「ペライチ」でOK
「社内企画書」は、文字通り「ペライチ」です。私はいつも、クラウド上に書いたGoogle Docsのペライチ(本当に1ページ)を、リアルタイムにチームスタッフに共有し、その場で足りないポイントの強化と修正を行います。また同時に、集客用のLP制作手配や社内クリエイティブチームへバナー展開を依頼します。1企画に対して、社内説明用の何枚もにわたるパワーポイント資料作成などは皆無です。
ヤプリでは組織の年間・四半期ごとのOKR的な目標設定に基づき「大樹の根幹」を設定しており、チームスタッフは、それを月次展開した施策についての「枝葉」の部分を担っています。大樹からブレない施策であれば、個のアイデアや実行力が重視される。これは、スタートアップの強みだと思います。