戦略的UGC活用がD2C的「顧客起点」マーケティングの核
そもそも、D2Cモデルは顧客との関係構築と世界観やコンセプトを体現する商品体験が事業成長の軸になるため、顧客と直接つながるSNSの活用は必須といえます。その上で、「顧客起点」を徹底して、顧客が自ら語りたくなるようなビジョンやコンセプトのある商品や心が動く商品体験を提供し続ければ、自然とUGC(User Generated Contents)が生まれるはずです。
顧客のリアルな体験が凝縮されたUGCは、他の生活者の興味や共感を呼び起こし、購買行動に影響を与える強力なコンテンツになります。また、顧客視点で作成されたコンテンツには企業が思いもよらないアイデアが内在する可能性もあります。
UGCが自然発生する環境作りはもちろんですが、既出のUGCを分析する、上手く活用する、体験に基づいた強烈な熱量から生まれる新しいUGCを増やすなど、戦略的UGC活用によって、D2CモデルのECではマーケティングにおける広告宣伝費をかなり押さえることができています。
D2Cモデルに学ぶマーケティングサイクル
D2Cモデルの台頭によって、顧客と直接つながることができるSNSと、その上で発生するUGCは、ECビジネスにおける「顧客起点」マーケティングの枢軸として、これまで以上にその重要度を増しています。
従来型EC事業者であっても事業成長のためには今後、D2C的「顧客起点」マーケティングのエッセンスを積極的に取り入れていくべきであり、広告クリエイティブやECサイト上だけでなく、商品企画や商品改善、関係構築の領域でもUGCの戦略的活用を広げていく必要があります。

事実、今の時流にフィットした新しいECを目指す企業は、UGCや顧客の声を広告宣伝だけでなく、商品企画・開発のアイデアや商品改善のポイントなどにも活かし、マーケティングサイクルを細かく早く回していくことで、成果を増幅させていくアプローチに、続々とチャレンジし始めています。
D2C的「顧客起点」マーケティングの戦略的UGC活用施策は再現性が高く、事例も豊富です。具体的な取り組み方法は、本連載の次回以降でまとめてご紹介していきます。