利用者の8割が梱包材の破棄を「もったいない」と感じていた
――メルカリの利用者からは、どんな反響がありましたか?
実は、今回メルカリエコパックをリリースするにあたって、事前にメルカリユーザーに梱包材に関するアンケート調査を実施していました。その結果、ECなどの利用増により利用・消費・廃棄する梱包材が増えて「もったいない」と感じている方は、8割にのぼることがわかりました。また、メルカリで商品を購入した際、再利用された梱包材を受け取った経験がある人は9割にのぼり、そのうちの9割以上が特に悪い印象を受けていないこともわかりました。この結果から、ユーザーの中でも確実にニーズがあるだろうということで、リリースに至りました。
メルカリエコパックは、最初に「メルカリストア」で対象商品を購入された方から抽選で1,000名にプレゼントしたのですが、その後は自社イベントで意義をご説明した上で配布したり、NPO法人と協力し、ボランティア活動に参加された方にプレゼントしたりしています。また、ある女性誌のSDGs特集号に、付録として付けたこともあります。つまり、ただやみくもに配るのではなく、「エコパックの考え方や思想をしっかり伝えること」を、現段階では大事にしています。
こうした取り組みの中で、お客さまの反応を直に見ることができたのですが、「こういうのを待っていたんです!」「良い取り組みだから応援します!」といったポジティブな反応をしてくださるお客さまが非常に多かったんです。事前の調査でニーズがあるだろうと仮説は持っていましたが、こうした反応はとても嬉しかったですね。ただ一方で、お客さまの声からメルカリエコパックの課題も見えてきました。
――それはどのようなものでしょうか?
やはり梱包資材なので、配送工程で起こりうるトラブルに対する不安の声も多くあがりました。たとえばしっかりとテープなどで止めておかないと開けてしまう人がいるのではないかという声や、違うサイズのものが欲しいという声もありました。また素材についても、リユース可能な梱包資材ということであれば、そもそもリサイクル資材で作ったほうが良いのではといったお声をいただきました。現在はこうしたお客さまからのフィードバックを受け、ブラッシュアップを考えているところです。
――メルカリエコパックの中には「日本地図カード」が入っており、送り手が住んでいる都道府県を記入して回していく仕組みになっていますね。こちらはどういった狙いがあるのでしょうか?
「日本地図カード」は、どうやったらメルカリエコパックをみんなに使ってもらえるだろうか……というのを考え、生まれた施策です。メルカリエコパックは「循環」を前提としているので、手元に来たけど使わないという人がいると、意味を成さなくなってしまうんですね。それではただの資源の無駄遣いになってしまうので、もらった人が次の人にまた受け渡したくなる仕掛けを作ろうと思ったんです。日本地図カードを見て、「このエコパックはどこから来て、どこへ行くのかな?」と楽しく循環していることを実感していただければと思っています。
