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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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コロナ禍で戦うBtoBマーケターの挑戦

情報洪水時代、単発・不定期ウェビナーで十分なのか? 継続的な「つながり」を作るために必要なこと

“自社サービスと関係のないテーマ”を取り上げる意味

 週刊定期ウェビナーの運営と同時期に仕込み始めたのが、1日を通した大型ウェビナー企画です。ゴールデンウィーク前には、「マーケターがGWに読むべき一冊!著者との対談ウェビナー」という、自社のプロダクト・サービスとは一見相関がなさそうなコンテンツです。まぁ、「一見」どころか、出演者の方は、弊社のサービスをご利用いただいている方は一人もいらっしゃいません(笑)。なぜこのようなコンテンツを作ったか。

 それは「友人・知人の口コミ」は、推奨・ブランド想起のパワーになるからです。私は前職までリテールや飲料メーカーのSNSマーケティング業務を生業の1つとしていたこともあり、他社(他者)を巻き込み、共創関係を作っていくことの影響力を信じています。いわゆる「異業種コラボ」に近い感覚です。これは、BtoCもBtoBも同じです。

 私や弊社を取り囲む環境、いわゆるコミュニティのパワーを借りたカタチです。外出自粛前には、六本木にある弊社オフィスラウンジも、外部の企業様やコミュニティに場所を提供していたりと、場を通じた企業コミュニケーションを頻繁に行っておりました。同じことをオンラインでも届けていく。コミュニケーションの本質は変えずに、手法・手段のみシフトしていくイメージです。

 ちなみにこの企画は、弊社と同じように「コミュニティ的思想」で事業を展開している「朝渋」とのコラボを実現することにより、輪を広げていきました。

聴講者に対して「Big Why」を提起する

 弊社の事例ではありませんが、SNSコンサルなどを手掛けるホットリンク社も、GW前の同時期に「#NEWWORLD2020」と題した7日間の日替わり大型ウェビナーを実施されていました。私も聴講させていただきましが、こちらのウェビナーも「ホットリンク」のソリューション紹介をするパートはほぼなく、「彼らのミッション・ビジョンを業界内外に情報発信するコミュニケーション」として展開されていたように感じました。

 ただし、上述の「マーケターがGWに読むべき一冊!著者との対談ウェビナー」のような、弊社コア事業(スマートフォンアプリ開発・運用)との直接的相関が薄いウェビナーコンテンツだけでは、セールス部門への良質なコミュニケーションパスとなりません。こちらは、いわゆる聴講者に対しての「Big Why」を提起するウェビナーです。4月は「GW前」というモチベーションに合わせた「読書とマーケター」という広めな切り口でしたが、5月には業界の関心度が日に日に高まる「EC」に特化した終日ウェビナーを開催いたしました。こちらはより粒度が細かくなった「Why」部分の提起です。

ウェビナーはビジネスの最終成果=受注につながる?

 このように、ただウェビナーを連発するのではなく、世の中の空気を読み、聴講対象者にとって「Why」を提供する大きめのウェビナーと、週次で行っている「What/How」を提供するウェビナーをハイブリットで提供することにより、3月以前の旧来のマーケティング手法では実現しえなかった、新たなスタンダード、「ニューノーマル」時代のコミュニケーションへと自然に(試行錯誤を繰り返しながら)シフトしていったのが、弊社のマーケティングトライです。

 ちなみに「ビジネスサイド部門の最終的な成果(=案件受注)」の部分についてですが、このような市況ではありますが、一連の弊社ウェビナーを起点(きっかけ)として、モバイルやデジタル施策を弊社とご一緒させていただける意思決定をされた企業様が生まれ始めています

 冒頭のように、当時は「単発ウェビナー」の発想しかなかった弊社ですが、刻々と変化する外部環境に順応するカタチで、日々最適解を模索している状況です。この寄稿を書いているのも5月中旬ですが、目まぐるしく状況が変化する中、どのようなコミュニケーションが最適なのか、発信だけでなく、オーディエンスの傾聴も必要不可欠だと思っています。

 そして、同時に「ウェビナー」は、あっという間にキャズムを超えてきている感覚さえもあります。この寄稿自体、掲載の頃には陳腐なものになっている可能性もあります(苦笑)。マーケティング界隈におけるウェビナーの本数が1週間に70本(!)を超えてきています。運営手法自体もソーシャルな時代のおかげでコモディティ化し、聴衆者側もニーズ・インサイトのマッチがないと、あっというまに「チャンネルの切り替え=途中退出」をしてしまいます。

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ウェビナー乱立時代、埋もれないためにどうするか

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この記事の著者

島袋 孝一(シマブクロ コウイチ)

株式会社ヤプリ マーケティングスペシャリスト

2004年商業ディベロッパー「株式会社パルコ」入社。店舗リーシング・販促宣伝、経営企画室を経て、 2013年よりデジタルマーケティングに従事。 2016年総合飲料メーカー「キリン株式会社」に入社。グループを横断するデジタルマーケティング部に所属。 LINE公...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2020/06/03 07:00 https://markezine.jp/article/detail/33514

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