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コロナ禍で新たな事業に踏み出した、老舗酒造メーカー明利酒類×I&CO Tokyoのブランド戦略

 商品に込められた想いは、ロゴやパッケージとして可視化されることで、事業のさらなるドライバーになる。コロナ禍で除菌剤が不足している中、老舗酒造メーカーの明利酒類は新規事業として除菌用アルコール「MEIRIの除菌 MM-65」を開発。デザインを含むブランディングを、ユニクロやトヨタなどのプロジェクトを手掛けた実績をもつビジネス・インベンション・ファームのI&CO Tokyoに依頼した。新規事業の意図とブランディングの展開について、両社に話を聞いた。

豊かさの提供だけではなく、困りごとを解決する存在に

――今回は、除菌用アルコール「MEIRIの除菌 MM-65」(以下「MEIRIの除菌」)のブランディングについて、茨城県水戸市の酒造メーカーである明利酒類の山中さんとI&CO Tokyo(以下、I&CO)の橋本さんに、オンラインで取材させていただきます。まず自己紹介をお願いします。

山中:元々医療機器メーカーの営業として、病院やクリニック、高齢者施設などとお取引していました。2年前にUターンで茨城に戻って明利酒類に入社し、食品部門で料理酒など発酵調味料の営業や、商品企画のご提案をしています。

橋本:これまでのキャリアでは、主にロゴデザインを中心に企業や公共団体のブランディングを手掛けてきました。I&COでは、ビジネス開発や事業ブランディングの知見が厚いメンバーとともに引き続きデザイナーとして携わっています。

明利酒類 山中氏<br>I&CO Tokyo 橋本明花氏
明利酒類 山中隆央氏
I&CO Tokyo デザイナー 橋本明花氏

――なぜ酒造メーカーが除菌用アルコールの開発に至ったのか、新規事業の発端をうかがえますか?

山中:当社は今年で創業70周年、前身の酒造店から含めると江戸時代末期から商売を続けています。地産地消を掲げ、地域になくてはならない会社を目指してきましたが、お酒はどちらかというと一定の生活水準があった上で豊かさや楽しさを提供する商品です。それだけではなく、地域の皆さまが困っているときにも役に立てる存在になっていきたいという考えがあり、数年前から社内で「社会課題の解決と事業の両立」がひとつのテーマになっていました。

MEIRIの除菌MM-65
今回デザイン、ブランディングが実施された「MEIRIの除菌 MM-65」

社会のニーズに応えるスピード感

――それは、新規事業開発室のような部署で模索されていたのですか?

山中:いえ、有志による部門横断のタスクフォースのような形ですね。具体的に動き出したのは2020年4月、私を含む有志の若手でプロジェクトチームを立ち上げたことです。

 私は医療業界で働いた経験があったので、アイデアのいくつかの案の一つとして、アルコールを飲食ではない領域に活用する方向性も社内に提案していました。アルコールは当然ながら取り扱いに免許が要りますし、大量に製造するにも特殊な要件と専用のラインが必要なので、関連事業に参入できる企業は限られます。コロナ禍で除菌用のアルコールを製造することは、地域に必要とされる会社を目指す我々としては、担っていきたい役割だったのです。

――そういった構想が、コロナ禍の影響で一気に商品開発へと進んだ?

山中:おっしゃる通りです。3月の時点で、除菌剤の需要が増えるだろうという予測はありましたが、そのニーズの伸びは予想以上でした。スピード重視で商品開発を進める中、一般向け消費財メーカーさんの除菌剤が市場から消えていきました。

――5月にリリースされた除菌用アルコール「MEIRIの除菌」に先立って、高濃度アルコール「メイリの65%」、さらに手指消毒液代用の高濃度エタノール製品「メイリの65% 魁YELLOW」を発売されています。これらはどういった位置づけなのですか?

山中:実は、これらは一般向けの除菌剤がドラッグストアの棚から消えている時期の継投(つなぎ)として役立てばと思い、デザインも通常の酒類商品と同じ印刷会社に依頼して急ぎ発売したものです。アルコール度数は一般的な消毒液と同等ですが、商品の分類としてはウォッカなんです。

メイリの65%
メイリの65%

 一方、「MEIRIの除菌」は地域に貢献できる新たな事業軸という観点で、最初から学校や公共機関などへ業務用を展開するつもりだったので、明確に線引きをする考えがありました。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

齋藤 翔(編集部)(サイトウ ショウ)

日本大学藝術学部卒。ライフスタイル系メディアの編集を経て、MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/07/06 07:00 https://markezine.jp/article/detail/33611

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