SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

水野貴明の“技術から学ぶ”アクセスログの読み方

IPアドレスからできる地域ターゲティングとは

広告にも応用される地域情報

 ここまでIPアドレスからアクセス元の地域を調べるカラクリについて解説してきました。しかし、すでにおわかりのように、どの方法も、完璧に場所を特定できる、というものではありません。しかし、これまでこの連載では何度も述べていますが、アクセス解析は、個々のアクセスを完璧に把握する、というよりは統計的にデータを集計することが重要であり、大体わかる、というレベルでも十分に役に立つわけです。重要なのは、解析されたデータが、どういった方法を利用して集計されていて、どれくらいの精度を持っており、どういった問題があるのか、ということをきちんと知った上で、データに臨むことです。

 さて、最後になりますが、こうしたIPアドレスからの地域情報の割り出しは、広告の表示などにも応用されているので、それを少し紹介しておきましょう。

 どこからアクセスしているかがわかる、ということは、アクセス元によって表示させる広告を変える、といったことができ、実際にそういった広告が存在しているのです。

 たとえばGoogleのAdSenseがわかりやすいでしょう。筆者は、仕事柄(現在百度という中国の検索エンジンに勤務しています)よく中国へ出張するのですが、中国からたとえば自分の日記(AdSenseの広告が貼られています)にアクセスすると、中国への転職や、中国で利用するサービスに関する広告が表示されるようになります。同じように、アメリカに行ったときは、アメリカの日本人向けサービスの広告が表示されたのを覚えています。

 Googleがアクセス元のIPアドレスを調べて、その人のいる地域にあった広告を出しているのです。

広告配信もIPによって変更する

 同じように、Googleのトップページに中国からアクセスすると、「Google Chinaへ移動」というメッセージが出ます。これも、Google側で、IPアドレスからこれは中国側からのアクセスだな、ということを認識して、メッセージを表示しているわけです。

 このように、IPアドレスからのアクセス元の割り出しは、アクセス解析だけでなく、さまざまなことに活用されているのです。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
水野貴明の“技術から学ぶ”アクセスログの読み方連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

水野 貴明 (ミズノタカアキ)

1973年東京生まれ。バイドゥ株式会社勤務の兼業テクニカルライター。学生のとき に父親が買ってきたパソコン(マイコン)と出会い、コンピュータとの付き合い を開始。大学は有機化学、大学院では分子生物学を学ぶも、就職で再びコンピュータの道を進むことになった。その後インターネットの普及により、様々な方に出会う機会を得て1999年より執筆活動を開始。 http://d.hatena.ne.jp/mizuno_takaaki/

 

著書
『アクセス解析でホームページの集客を極める本』 水野 貴明著、 ソーテック社、2005年3月 
『詳解RSS~RSSを利用したサービスの理論と実践』 水野 貴明著、ディー・アート、2005年8月

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2008/05/09 11:00 https://markezine.jp/article/detail/3362

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング