インドでは地元発の音楽ストリーミングサービスが人気
人口13億5,000万人のインド。現在のインターネット普及率は33%ほどで、依然大半の人々がネットにアクセスできていない状況だ。これは見方を変えると、デジタルコンテンツの消費が今後さらに大きく伸びることを意味している。
地元紙Economic Timesが伝えたCiscoのレポートによると、インドのネット普及率は2023年に64%に達するという。人口数に換算すると9億人以上だ。
そのインドで人気が高い音楽ストリーミングサービスは、地元発の「Gaana」と「JioSaavn」。インドの音楽ストリーミング市場に関して、いくつかの調査レポートが発表されているが、どれもこの2つの人気が高く、SpotifyやApple Musicなどのグローバルプレーヤーを凌ぐ存在であることを示している。

人口2億6,000万人のインドネシア。同市場で人気が高いとされるのは、中国テンセント傘下のJOOX。2015年にローンチされた音楽ストリーミングサービスで、インドネシアだけでなく、香港、マレーシア、ミャンマー、タイなどでサービスを展開。
このほかインドネシアのアーティストのみに特化した「Nada Kita」という地元発のストリーミングサービスも注目されている。2016年にローンチされた同サービス。Music Press Asia2018年3月の記事によると、ユーザー数は220万人。インドネシア国内における多数の大手レーベルと提携し、「インドネシア特化」という特徴を前面に押し出し国内ユーザー基盤を拡大しているようだ。

テンセント傘下のJOOX、アジア市場で強固な基盤
上記で登場した中国発のJOOXは、アジアの音楽ストリーミング市場を見る上で無視できない存在だ。
少し古いデータになるが、マッキンゼーが2016年11月に公開したアジアの音楽市場分析レポート「The beat of the progress」は、アジアの音楽ストリーミング市場ではこのJOOXのシェアが最大であると指摘。インドネシアでは、JOOXの利用率は34%で同国トップ。Spotifyは9.8%にとどまっている。
他の国々でもJOOXが優勢のようだ。タイにおけるJOOXの利用率は56%で同国トップ。2位には23.9%のLINE MUSICがランクインしたが、その差はかなり大きい。マレーシアでもJOOXが46%で1位。Spotifyは34.8%で2位。マレーシアではJOOXとSpotifyが2強で、首位を競っている状況だ。
香港でもJOOXが54.7%で首位。2位以下は、KKBOX22%、Spotify16%、MOOV12.5%、Apple Music12.1%と続いた。