※本記事は、2020年6月25日刊行の定期誌『MarkeZine』54号に掲載したものです。
スマートドライブ マーケティング/PR 大里紀雄氏
大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。その後、マルケトにてシニアビジネスコンサルタントとしてマーケティングオートメーションツールの導入支援を行う。業種を問わず、大手企業から中小企業まで、コンサルティングを経験。現在はスマートドライブにてマーケティング責任者として「移動の進化を後押し」するため、日夜奮闘中。
私の前職は外資系のマーケティングオートメーションのベンダーで、幅広いお客様に対してコンサルティングを行っていました。2019年の3月からスマートドライブにて、マーケティングの責任者をしています。外資系スタートアップ、レガシー産業、ベンダー、事業者といった様々な立場を経験したことを活かしつつ、現場目線でBtoBマーケターが持ちたいデジタル&リアル俯瞰の視点を3回に分けてお伝えします。今回は、いわゆる“レガシー企業”とベンチャー企業の比較を通じて、新型コロナウイルスの影響で変革が迫られる今、それぞれの企業が取るべき対応について検討していきます。
デジタルマーケティングはあくまで手法の1つ
ベンチャー企業は社員の平均年齢が若く、デジタルネイティブ世代がDMPやMAツールといった様々なデジタルツールを活用しているケースが多くあります。デジタルマーケティングをキッカケにマーケティングの世界へ足を踏み入れた若手のマーケターの中には、デジタルマーケティングこそがマーケティングのすべてだ! と思っている方をちらほら見かけます。確かに最先端の技術だし、会社からの期待もあるでしょう。なんだかキラキラした世界ですよね。だからそのように感じてしまうのかもしれませんが、デジタルマーケティングはあくまで手法の1つでしかありません。であるにもかかわらず、デジタルマーケティングに取り組んでいない人や企業を見ると「イケてない」と思ってしまうようですが、本当にそのような考えでいいのでしょうか?レガシーなマーケティングから、何か学ぶところはないのでしょうか?
逆に、デジタルマーケティングに取り組んでいる企業を見て、「ああいうのはIT企業とかベンチャー企業のやるもの、うちには無理」と決めつけて、挑戦してこなかった企業は、本当にそのままでいいのでしょうか?