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博報堂ヒット習慣メーカーズの中川悠と探る、マーケティングに必要な習慣化の秘訣

マーケターはリピート購買、習慣化させるWhatを考えよ【博報堂中川氏×ナイアンティック足立氏対談】

リピートさせたければWhatに目を向けよ

中川:アプリを継続的に使ってもらうのはもちろんですが、継続して商品を購入してもらうために重要なことはなんだと思いますか。

足立:マーケティングはHow(どうやって)の話が多くなりがちですが、継続して商品を購入してもらうにはもっとWhat(何を)に目を向けるべきです。企業の売上の多くはリピート購買から生まれています。そのため、リピートしてもらえるような製品やサービスの設計や打ち出し方を考えることこそが、最も重要なマーケティングの役割だと私は考えています。

 コロナ禍になったことで、既存ビジネスが苦しくなって、Whatを見直す企業も増えてきたと思います。「自分たちの売り物がこれでいいのか?」とマーケターの方は「自分の会社が何を売っているのか、売るべきなのか」を見直すようにしてほしいですね。

中川:リピート購買をどう作るのかに非常に興味があるのですが、どのようにリピートにつながる商品を見極めているのでしょうか。

足立:ものすごく簡単で、常日頃からお客様が買っている・お使いいただいているものから見極めます。私がマクドナルドにいたときも、期間限定品だけではなく、レギュラーメニューを中心にキャンペーンを実施するなどの変更を行いました。レギュラーメニューのファンが増えれば、それだけ安定的にご来店頂けるので。

 身の回りの商品・サービスを見回しても、たとえばジレットのカミソリは、カミソリ負けを防ぐスムーサーがなくなってきたら交換(リピート)の合図になっています。その他にも、最近起動していないアプリがプッシュ通知で再起動を促すのなども、リピートを促している一例です。

 これらはHowの話でしたが、重要なのは自社の商品・サービスのWhatに目を向けることです。良い商品・サービスがあってはじめてこれらのリピートを促す仕組みが機能してきます。

商品・サービスの定義を変えて新たなリピートを生む

中川:では、最後に続くサービスのキーワードをまとめていきたいと思います。冒頭お話のあった、お客様に合わせて変化し続けること以外に重要なことはありますか。

足立:1つは定義を見直すということですね。たとえば、コロナ禍で焼肉屋がデリバリーを始めたとしたら、これは焼肉をできる店から焼肉料理を提供するお店に定義を変えたことになるのです。このように、定義次第で提供できる商品・サービスを変化させていくことができるので、社会状況の変化も鑑みながら定義を見直し続けることが重要だと思います。

 そして、もう1つ重要なのは、自分がいなくても回るくらいの再現性を持たせた施策のできる組織にしていくことです。ある人のおかげで売上が回復しても、その人がいなくなって減収してしまったら、いた意味がないと思います。

中川:非常におもしろいお話が聞けました。足立さんが「リピート購買が大事」とお話ししていましたが、私も『カイタイ新書』で商品・サービスを継続して使ってもらうことの大切さを啓もうしているので、とても勉強になる部分が多かったです。足立さん、ありがとうございました。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/08/21 09:00 https://markezine.jp/article/detail/33985

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