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大山忍のちょっと気になる海外マーケティング事情

第2回 費用対効果の高いB2Bマーケティング/ バーチャルトレードショー


活発なコミュニケーション

 それでは最後に、トレードショーの参加者が集まるラウンジを見てみましょう。ラウンジページにアクセスすると、上部に人のアイコンが並んでいます。それらは、トレードショーに参加している、すなわちオンライン状態の参加者の一覧です。そのアイコンをクリックすると、事前登録していたVカードの情報や、参加の目的といった情報を確認できます。その場でVカードの交換や、チャットで会話をすることもできるので、さながらセミナーでの交流会のように、ネットワークを広げることができるのです(図6)。

展示企業のメリット

 ここまで紹介してきました、今回4月に開催された3日間のセミナー期間中、ブースへの延べ訪問者数は262,285人(1ブースあたり約1100人)、インスタントメッセンジャーが行われた回数は8,945回、Eメールの送信数は5,540通あったと報告されています。これらの統計データからみても、かなり活発なコミュニケーションが行われていたことが理解できます。

 企業が展示ブースを出展する目的は、優良な見込み客を獲得することであり、その後の営業活動にいかに生かしていくかが課題でもあります。リアルの展示ブースでは、何とか見込み客の名刺をかき集めたとしても、その後それらをデータベース化し、次のアクションを起こすまでに時間がかかってしまいがちです。中には、集めた名刺を何もセグメントせずに、そのまま営業部に渡してしまい、あまり精度の高くない顧客獲得結果に陥ってしまうケースもしばしばあります。

 バーチャルトレードショーでは、出展後の見込み客へのフォローUPや、出展の効果分析が容易にできる情報を提供しています。例えば、トレードショー全体の傾向値として、訪問者数や滞在時間、訪問者の多かったTop15の展示ブース、人気の高かったTop15のプレゼンテーションを確認することができます。また自社の展示ブースへの訪問傾向も、訪問者数、資料のダウンロード数と統計的なものから、訪問者のプロフィールまで確認することができます。リアルの展示ブースでは、ブースに訪れた人全てが名刺を置いていってくれるわけではないので、興味を示した訪問者全ての傾向というのはわかりませんが、訪問者全員の情報を確認できるというのは、インターネットという環境ならではです。訪問者と交わしたVカード情報も簡単にダウンロードでき、またチャット、メールなど訪問者と交わしたコミュニケーションは全て記録として残っているので、興味関心度合いによって訪問者をセグメント分けし、すぐにメールでのフォローUPが可能です。これにより、営業部門にはより精度の高い見込み客を提供することができ、マーケティングと営業との上手い連携プレーを図ることが可能となるのです(図7)。

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コスト面からみたバーチャルトレードショーのメリット

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この記事の著者

大山 忍(オオヤマ シノブ)

米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併し、アフィリエイトシステムの開発企画やマーケティングマネージャーを務める。

2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベストプラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2006/07/12 21:16 https://markezine.jp/article/detail/33

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