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マーケティングを経営ごとに 識者のInsight

普遍的な学びを問い直し変化を待つ世界に一石を投じる

 2020年5月25日、日本マーケティング学会は長期化するコロナ禍に際して「#いまマーケティングができること~新型コロナ危機での探究と創発~」と題したウェビナーを開催。会長の古川一郎氏を含む6名の識者の議論に、多くの学会員が耳を傾けた。実務家が研究者の2倍も所属し、アカデミックと実務が融合する学会では、人々の価値観が大きく変わる中で何に注目が集まっているのか、議論が進む。今、マーケティング領域で考えるべきことについて、古川氏にうかがった。

※本記事は、2020年8月25日刊行の定期誌『MarkeZine』56号に掲載したものです。

多様な背景を持つ人同士が創発するプラットフォーム

日本マーケティング学会 会長/武蔵野大学 経営学部教授
古川一郎(ふるかわ・いちろう)氏
東北大学助教授、大阪大学助教授、一橋大学大学院商学研究科教授を経て現職。2019年4月より、日本マーケティング学会会長を務める。2020年3月、一橋大学名誉教授に就任。主要著書『マーケティング・リサーチのわな』(有斐閣、2018年)、『地域活性化のマーケティング』(共著、有斐閣、2011年)、『いま・ここ経営論』(共著、東洋経済新報社、2010年)、『反経営学の経営』(共著、東洋経済新報社、2007年)、『超顧客主義経営』(共著、東洋経済新報社、2003年)、『マーケティング・サイエンス入門』(共著、有斐閣、2003年)、『デジタルライフ革命』(共著、東洋経済新報社、2001年)、『出会いの「場」の構想力』(有斐閣、1999年)など多数。

――MarkeZineでは昨年8月から、日本マーケティング学会の協力の下「マーケター必読!論文のすすめ」という論文紹介の記事をWebで連載しています。実はコロナ禍の時期、この連載のPVが大きく伸びています。

 それはいいですね。学会の活動も、どうしてもリアルな場では制限されてしまいましたが、元々活発な方々が多いので、あっという間にオンラインでのサロンやウェビナーがたくさん企画されるようになりました。

――日本マーケティング学会は2012年に設立され、古川先生は2019年4月より会長に就任されています。まず、学会が目指す姿と活動内容をうかがえますか?

 私たちは設立以来「探求と創発」を掲げ、実践的な場を作ることを目指してきました。マーケティング領域にもたくさんの学会があり、たとえば日本マーケティング・サイエンス学会や消費者行動研究学会など、各学会がそれぞれの原理原則や拠り所に基づいて活動しています。私たちは特定の領域を掘り下げると言うより、様々な領域を横断して議論することで課題を共有し、解決を図ろうとしています。他の学会とも緩やかに連携する、プラットフォームのような位置づけになっていると思います。

 そのため、少し抽象的ですが「探求」したい人ならどんなバックグラウンドの方でも歓迎です。学会員の多様性が広がるほど、示唆に富んだ気づきや発見――「創発」が活性化すると考えています。実務家が研究者の約2倍いることも、一般的な社会科学系の学会としてとてもユニークだと思います。ここ数年、会員数は2,000人前後で安定しており、この構成比も維持されていますね。また、女性の会員が26%というのも高い方かもしれません。もちろん、もっと多くなってしかるべきとは思いますが、女性マーケターのキャリアといった女性ならではの研究グループも展開されています。

 主な活動は、カンファレンス、リサーチプロジェクト、マーケティングサロン、マーケティングジャーナルの4本の柱から成り、「春のリサプロ祭り」「秋のカンファレンス」と呼んでいる定例イベントも定着しました。たとえばリサーチプロジェクトは現在30以上が進行中で、医療や宇宙といった大きめのテーマから、鉄道会社の方を中心にした鉄道沿線マーケティングのような絞り込まれたテーマまで、本当に幅広いです。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/25 13:29 https://markezine.jp/article/detail/34048

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