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実践!マーケティングアカデミー

倉庫に眠る“デッドストック”をゼロに 「AUNE」が目指す、サスティナブルなアパレルの形

デッドストック活用には賛否の声

――AUNEはこれまでにない新たな取り組みですので、ローンチまでに苦労もあったのではないでしょうか?

 おっしゃるとおり、かなり大変でしたね。サービスの構想自体は1年前にできていたのですが、今まで手をつけられていなかったデッドストックを活用するビジネスですので、様々な調整が必要でした。まず、倉庫に眠っていた商品ですので、本当に売って良いものなのか? という疑問が当然あります。そのため、プロジェクト開始時にはまず倉庫に通い、一点一点、商品状態を全部確認していきました。

 また各ブランド、各事業部で取り組んでいるセールや福袋といった他の施策もあるので、そことの在庫調整なども必要でした。

――ちなみに、AUNEを開始される際、社内での反応はどうでしたか?

 賛否両論でしたね。デッドストックを販売するというビジネスモデルということで、お客様にどれが売れ残ったかがわかり「ブランドイメージの毀損につながるのでは」という意見もありましたし、新品時よりも安く販売するので、「新作が売れなくなってしまうのでは?」という懸念の声もありました。

 こうした意見に対しては、なぜ当社でAUNEという事業を行うのかといった背景説明から、社会問題を打ち出すサービスですので、そもそものターゲットが変わってくるということまでを丁寧に説明していくことで理解を得ていきました。

サイト上でもAUNEが生まれた背景を説明している
サイト上でもAUNEが生まれた背景を説明している

AUNEの運営ができなくなること、それが真のゴール

――ローンチから4ヵ月が経ちましたが、どういった成果を感じられていますか?

 まだまだローンチしたばかりで、それこそやっと実際の購買層が見えてきたところですので、ここからがリスタートだと思い、動きはじめているところです。AUNEのユーザーは若年層が多く、またリピーターが多いのも特長として見えてきました。ユーザーに愛されるサービスとなるよう、改良を重ねていきたいですね。

 またAUNEは、これまで目を背けてきた問題に向き合う取り組みです。もちろん事業ですので、ビジネスとして成り立たないといけないのですが、それよりも、今はまずこのサービスを通じて、人々の意識を変えていきたいと思っています。

 最終的には、AUNEという“デッドストックありき”のサービスが運営できなくなってしまったときが、私たちの掲げるビジョンを真に達成した時ですので、そこを目指していきたいですね。

今回のポイントは……
  • アパレル業界では大量のデッドストックが問題となっている
  • デッドストックに“コーディネート”という付加価値をプラスした「AUNE」をローンチ
  • サスティナブルへの意識が高い、ミレニアル世代の心を掴む

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/25 13:33 https://markezine.jp/article/detail/34109

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