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「美容は自分のためという価値観に」博報堂調査でわかった、新型コロナで生まれた化粧品購買7つの兆し


 新型コロナウイルスの影響で、様々な業界で脅威や機会が生まれています。本記事では、博報堂が調査した化粧品業界の消費動向をもとに、化粧品を購買する際に起きる7つの兆しについて、同社の神村英里氏に解説いただきました。

人々の生活は非連続になってしまった

MZ:今回は博報堂のストラテジックプラニングディレクターを務める神村さんに、同社が調査した化粧品業界におけるコロナ禍の影響について解説いただきます。

 まず、どのような調査を行ったのか教えていただけますか。

神村:「Build back better with Covid-19 コロナをきっかけに前よりもっと良い世界へ」と題し、博報堂自主調査をもとに化粧品業界が次に取るべき打ち手をまとめました。

 具体的には、10代から70代の女性626名を対象に、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の影響を受けて美容や健康に対する意識・行動がどう変わったのかを明らかにする設問で調査を5月19日に行いました。それに加え、社会環境の変化といったマクロ概況因子を鑑みて、女性の中で起きている化粧品に対する向き合い方の変化を捉えました。

博報堂 第3プラニング局 1部 部長 ストラテジックプラニングディレクター キャリジョ研 研究員(創設リーダー) 神村 英里氏
株式会社博報堂 第3プラニング局 1部 部長 ストラテジックプラニングディレクター
キャリジョ研 研究員(創設リーダー) 神村 英里氏

MZ:では、実際にどのような消費動向の変化が起きたのか解説していただけますしょうか。

神村:まず前提として、生活者の日常が非連続になりましたよね。我々がその因子として考えているのが強制ディフェンスと強制トライアルです。前者はウイルスと経済打撃によって、生命・生活維持が侵食されてきたことを指し、後者は外出自粛によって移動が制限され、少し先の未来が即到来した状態を指します。

 そして、強制ディフェンスは生活者に自己防衛の強化という行動と、自分にとって大事なことの問い直しという兆しを生み出しました。たとえば、手洗いうがいを徹底するようになったのは新たな行動、働き方や家族関係、料理の手間暇のかけ方に考え直すのが新たな兆しの一例です。

 また、強制トライアルに関しては、新たな行動として生活の最大限リモート化、新たな兆しとしてリアル・出会いへの飢餓という新たな兆しを生み出しました。ECやデリバリーの利用が増加し、ビジネスではテレワーク導入が増えましたよね。新型コロナがなければ、これらの変化はここまで急激に起きなかったのではと思います。

 ここまでが、どのカテゴリーにおいても共通している生活者の変化です。

新型コロナが化粧品業界に与えた7つの影響

MZ:ではそのような状況下で化粧品業界はどのような影響を受けたのでしょうか。

神村:7つの影響を受けていたので、ここからはそれぞれについて解説したいと思います。1~4はリスク、5~7はチャンスと言えます。

1.低価格帯の進行

 購入価格帯別にモニターを分類して調査をしたのですが、どの価格帯でも大半の女性が同じ価格帯のものを買いたいと回答していた一方で、高価格帯ユーザーで2割近く価格を下げたい(既に下げた)ことがわかりました。

2.ブランドの見直し

 積極的にブランドスイッチを検討する方が増えました。特に化粧品・美容液ではどの価格帯でも10~15%出現しました。また、高価格帯ユーザーの「どちらでもない」の回答が少ないのを見ると、他の価格帯ユーザーに比べ見直しが起きていると推測されます。

3.店頭忌避

 緊急事態宣言後に行った調査だったこともあり、店頭での来店時間を短くしたり、テスター利用を控えたりするといった回答が得られました。

4。メイクモチベーションダウン

 緊急事態宣言が出て以降、美容の中でもメイクは不要不急なものになってしまいました。自粛期間中はメイク関連の回答はすべてダウン傾向で、メイクをする機会、メイクにかける時間を減らしたとの回答は3割以上ありました。

5.スキンケアへ注力

 メイクがダウン傾向だった一方で、スキンケアでは、「おこもり美容」という言葉が散見されたように、自粛中に力を入れた女性が一定数発生していました。

6.店頭忌避からのEC活性化

 ECに関しては、女性全体で見ると約1割しか増えていません。ただ、20代では20%を超えており、若年層を中心にECが動いたと言えそうです。

7.行動変化をけん引する高価格帯ユーザー/EC活性化ユーザー

 1~6と様々な変化が見られたのですが、これらの変化を牽引しているのは、主に「高価格帯ユーザー」と、このコロナを機にECを使い始めた「EC活性化ユーザー」であることがわかりました。特に高価格帯ユーザーはスキンケアへの注力が目立ち、EC活性化ユーザーはスキンケア注力に加えメイクに対する簡素化(時間と機会を減らした)が顕著でした。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/11/10 15:27 https://markezine.jp/article/detail/34127

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