SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

「美容は自分のためという価値観に」博報堂調査でわかった、新型コロナで生まれた化粧品購買7つの兆し


コロナ禍で美容の見直し、結果出てきたセルフケア

MZ:自粛によってこれだけの影響を受けた化粧品業界ですが、今後どのような変化が起きていくのでしょうか。

神村:自粛期間中の行動の変化を踏まえ、我々はウィズ・アフターコロナにおける美容の7つの兆しをまとめました。まず1~3の3つを一気に解説したいと思います。

1.Clean&Healthy

 最初は清潔と健康に対する意識の強化です。健康で言えば、無添加はもちろん、「これからは清潔で健康的であることを美しさの基準として重要視したい」という意見が表れ始めています。また、環境に配慮したものも好まれるようになってきます。

 そして清潔に関しては、EC活性化ユーザーの40.1%が「普段以上に肌を清潔に保つよう心がけた」と調査で回答がありました。加えて、週別に美容系カテゴリーの前年比較の購入金額を見ても、ほとんどがダウントレンドな中、洗顔料は前年比を上回る週もあるくらい、肌を清潔に保ちたいという意識が強く働いたのです。

2.Comfort

 2つ目の兆しはComfort、肌に対する負担を減らしたい、使い心地を重視したいという自分にとっての快適さを重視する価値観です 。自宅時間の増加で、ワンマイルメイクやワンマイルウェアが人気となりましたが、そのように快適さを担保しながらおしゃれさもキープしたいというニーズが生まれるのではないかと考えています。

3.Rhythm

 3つ目の兆しはRhythmです。テレワークの浸透で、在宅と出社の混在が当たり前になりつつあります。その結果、自分の中でアラームがならなくなる方が増えています。そこで、スキンケアやメイクという行為を自分の生活にリズムを与える道具として使うのです。

MZ:ちなみに、なぜこの3つを切り離して説明されたのでしょうか。

神村:この3つはself-careという根幹でつながっているからです。これまで美容は誰かに美しく見られたいという欲求から行われていました。しかし、今後は誰のためでもなく自分のためにあるものという価値観も浸透していくのではないかと考えています。

行動自粛が起因して生まれた4つの兆し

MZ:ではもしかすると、残りの4つの兆しにも共通点があるのでしょうか。

神村:その通りです。残り4つの共通点は行動自粛が起因しています。メイクアップ商品の販売拠点の中心だったデパートが臨時閉店し、多くの店でテスターが使えなくなりました。これらが影響して生まれたのが、これからご紹介する4つの兆しです。

4.Neo counseling

 これは、美容部員からオンライン上でカウンセリングを受けたり、オンライン上の実演や説明を見ながら商品を買ったりしたいというニーズの発生です。EC活性化ユーザー並びに高価格帯ユーザーの中でこれらに対する期待は非常に高いことが調査結果でもわかっています。

5。By Myself

 ここで伝えたいのは、自宅におすすめのサンプルが届く、また簡単に肌診断ができるサービスといった、これまで外部に頼っていた美容行動を自分でやりたいというニーズが生まれているということです。

 SNSで常時肌診断ができるサービスやデータをもとに最適なサンプルを提供するサービスなどは既に存在していますが、今後そういったサービスの需要が高まると予測されます。また、美容YouTuberの動画をテスター感覚で閲覧する人も出てくるでしょう。

6.Serendipity

 6つ目はセレンディピティです。どうしてもECだと偶然の出会いが生まれにくいというイメージもあり、調査結果でもECでの買い物が楽しいと感じる方は少ないことがわかりました。しかしながら、バーチャルショップを出店するブランドが登場したり、美容部員がインフルエンサー化したりと、企業側もオンライン上で新たな出会いを作ろうとしています。

 特に美容部員はこれまで対面が勝負でしたが、今後はオンライン上に商機を見出し、美容部員をブランドのアセットとして上手く活用していく企業も多そうです。

7.Sustainability

 最後はサステナビリティ、持続性です。44.8%の女性が「社会のためになる活動や買い物があれば参加したい」と答えており、生活や価値の見直しが行われ始めたいま、社会や環境問題への配慮を気にする方も今後増えてくると考えられます。

次のページ
化粧品のマーケターが向き合うべき2つのこと

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/11/10 15:27 https://markezine.jp/article/detail/34127

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング