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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

売上アップにつながるSNSマーケティング

外出自粛でも沖縄とビールの楽しさを届ける EC売上約50倍の成長に貢献したオリオンビールのSNS戦略

県内企業とのコラボで、助け合いとエンタメ作りを両立

いいたか:具体的にどのような施策を実施していくことになったのでしょうか?

上符:目的別に複数のコンテンツを用意しました。

 一つは、飲食店の支援になるコンテンツです。沖縄県内の飲食店を紹介するサイト「ちゅらグルメPlus」と協力し、飲食店応援プロジェクトとしてテイクアウト・デリバリー実施店の情報をまとめた特集ページを作り、SNS上で発信しました。

 次に、オフラインのイベントがなくなったことから、オンラインイベントを強化するためにライブ配信コンテンツを作りました

 沖縄県内のお笑い系芸能事務所と協力した「わったー宅飲み」という番組がその一つです。視聴者の「宅飲みのお供」として楽しいコンテンツを目指し、お笑い芸人の方をMCに発信したもので、4月~6月の3ヵ月間にわたり、毎週配信していました。他の企業でもこれに近い取り組みがありましたが、一足早く実施できたのではないかと思います。

 また、オリオンビールは元々音楽フェスとの相性も良かったため、国内14都市でライブイベントを開催している「uP!!!SPECIAL LIVE HOLIC supported by SPACE SHOWER TV」と協力し、オリオンビールのYouTubeから出演アーティストによる、ご自宅で楽しめる音楽番組を生配信しました。「わったー宅飲み」「LIVE HOLIC」ともにコロナで活動ができなかった芸人さんやアーティストと良い形でコラボレーションができ、エンターテインメントとしても非常に面白いものになったと思います。

 こういったコンテンツをSNSで発信していくことで、それまで認識できていなかった潜在的なオリオンビールファンに公式アカウントをフォローいただき、フォロワーが増えました。また、投稿へのエンゲージメントも非常に高まりました

ユーザーの接点を増やし、購買につなげる

いいたか:では、これらの施策が実施に至るまでにはどのようなステップがあったでしょうか。

石塚:まず、SNSを中心としたデジタル活用の大きな目的を上符さんとすり合わせ、デジタル上でのユーザー接点を増やすという方向性に決めました。接点が増えた結果として、オリオンビールを飲みたいと思っていただき、ブランドへの好意度向上からの購買につながればと考えていました。さらにそこから定めたSNS活用の方向性が、Twitterを最注力メディアにすること、UGCを最大化することです。

ホットリンク 執行役員 ソーシャルメディア事業 兼 コーポレート担当 石塚悠悟氏
ホットリンク 執行役員 ソーシャルメディア事業 兼 コーポレート担当 石塚悠悟氏

石塚:Twitterを注力メディアに選んだ理由は、他のメディアと比べてもユーザーに拡散機能が使われていて、より多くのユーザー接点を得られるのが一つ。もう一つが、デジタルにおける情報拡散のハブになれることです。YouTubeやInstagram、自社ECなど他のメディアへの誘導や、配信コンテンツ、オンラインイベントの集客がしやすくなります。

 UGCの数を目標にしたのは、オウンドメディアとして自社から発信をしていくよりも、ユーザーにオリオンビールを語っていただいたほうが、他のユーザーが見たときに信頼性が高い情報を届けられるためです。

いいたか:そこからUGCを増やしていくためにどのような取り組みがあったのでしょうか?

石塚:これまでに紹介した取り組みも含め、大きく4つに分けられます。

 1つ目は、UGCを軸としたユーザー分析です。SNSでの言及数、エンゲージメント、指名検索数、売上などを分析し、各種指標の相関関係を分析したほか、UGCの総量の推移を観察していきました。また、UGCがどのような内容なのか、どのようなユーザーから投稿されているのか、公式アカウントをフォローしている人がどのような方なのか、といったことも分析しました。

 ここから、ユーザーがオリオンビールを話題にしてくれやすいきっかけや、ユーザーとの接点を効果的にする方法を考え、施策の軸にしていきました。

 2つ目は、ユーザー接点を増やすためのTwitterアカウントの基盤強化です。オリオンビールを既に好きな方、好きになってくれそうな方、SNS上でアクションが多い方など質の高いフォロワーを集めていくことで、UGCが生まれやすい基盤を作っていきました。

 3つ目は、ユーザー起点のコミュニケーションを意識したアカウント運用です。公式アカウント対ユーザーという「1対N」ではなく、ユーザー対ユーザーのコミュニケーションが活性化されるように、そのきっかけとなるようなアカウント運用に取り組んでいました。

 4つ目は、オリオンビールを話題にしてもらいやすくなるコンテンツやキャンペーンです。先程上符さんが紹介したライブ配信や音楽番組といったコンテンツなどでUGCが生まれるきっかけを作り、ユーザー間の話題が広がりやすい仕掛けをしていきました。

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コロナ禍でも昨年よりUGCが増加、EC売上にも好影響

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/10/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/34290

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