ファンケルなどでも活用
続いて小泉氏は、Tealiumのユースケースを紹介した。
(1)某グローバル自動車ブランド:3ヵ月で20%の新規獲得予算を抑制
某グローバル自動車ブランドは、非見込み客の除外機能を活用した広告投資の最適化を実施。3ヵ月で約20%の新規獲得予算の抑制に成功した。従来フリークエンシーや配信期間のコントロールは各媒体で行っていたが、Tealiumの活用で一括管理が可能に。ユーザーに紐付けを行うことで、流入元が変わっても配信コントロールができるため、予算の効果的な活用が実現した。
(2)ファンケル:顧客接点を横断したコントロールでCVが10%向上
ファンケルでは、ゼロパーティデータを活かしたデジタルマーケティング施策を展開する中で、データ統合の関係上、施策の実行が翌日になってしまうことが課題となっていた。これに対し、Tealiumの導入で、カート放棄のようなトリガー系の施策をタイムリーに実施可能に。コンバージョンは約10%向上した。即時実施も可能だが、離脱後すぐに実施するより、2時間後の効果が高かったことがわかっている。また、インセッション中にレコメンドを最適化することで、合わせてコンバージョンアップを図っている(詳細はこちら)。
なお今年7月には、同社CDPに搭載した機械学習の活用によりデータに基づき顧客行動を予測する「Tealium Predict」という機能が一般リリースされている。これにより、工数を削減しながら予測を踏まえたターゲティングを実現できるようになった。
各種法規制へ対応する機能も
データ活用において忘れてはならないのが、各国の法規制である。ヨーロッパのGDPRや、アメリカのカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)に続き、日本でも改正個人情報保護法が今年6月に成立した。ユーザー同意を筆頭に、企業には対策が求められている。
データの受け渡しを一元管理するTealiumには、同意管理の画面を作成する機能が標準で備わっている。たとえばルフトハンザドイツ航空では、Tealiumの標準機能を使って明確にCookieの用途を宣言し、同意を得るプロセスを設定している。
加えて、単に同意取得をして管理をするだけではなく、ユーザーの同意に基づいた正しいデータ活用と制御もタグマネージャーを介して実行が可能だ。
セッションの後半では、同社の阿部氏が実機を用いたデモを実施。リアルタイムな顧客へのアプローチをどのように実現できるか、同意管理画面が顧客からどのように見えるかなどを解説した。
小泉氏は終わりに、「デジタルマーケティングは変化が速い領域です。ベンダーニュートラルなCDPを全体のハブとして据えることで、常に最先端のツールを採用し、先駆者利益を享受することが可能になるはずです」とまとめ、セッションを締めくくった。