好調を続ける「一番搾り」のマーケティング戦略
――はじめに、現在の担当業務についてご紹介ください。
岸川:「一番搾り」のブランド担当に就任して、1年ほどになります。それまでは8年近く営業として現場に出ていました。テレビCMをはじめとした広告メディアによる施策の策定から店頭POPや営業施策ツールの準備に至るまで、ブランドに関わるコミュニケーション全般が業務範囲です。
植木:私は、スマートニュースで広告営業のマネージャーをしており、食品・飲料業界様を担当しています。
――好調な売れ行きを続ける「一番搾り」ですが、その裏でどのようなマーケティング戦略を描いていらっしゃるのでしょうか。
岸川:戦略は非常にシンプルで、「おいしさ」に対して正面から向き合ったマーケティングをしようと、歩みを進めています。
おいしさへのこだわりは、1990年の発売以来変わっていません。
それは改良による味の進化だけでなく、コミュニケーションにも表れています。たとえばテレビCMは、正面からおいしさにフォーカスしたものにしています。当たり前のことと思うかもしれませんが、そうした一貫しておいしさを追求する様をお客様に共感いただけている点に、ビール類市場が停滞するなかでも堅調な理由があるのではと考えています。
植木:「一番搾り」といえば、名前に入っているように一番搾り麦汁だけを使った製法が特徴ですよね。その製法も含め、ブランドとして目指しているおいしさに向き合い、そこにポイントを絞ったコミュニケーションを展開されているんですね。