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MarkeZine Day 2020 Autumn

「PR投稿の“言わされている感“はバレてます」現役大学生が語る、SNS活用実態とコロナ禍での変化

 若者の聖地・渋谷のシンボルとして知られるSHIBUYA109を運営する、株式会社SHIBUYA109エンタテイメント。2018年5月に若者を研究対象としたマーケティング機関「SHIBUYA109 lab.」を創設した同社は、自社のプロモーションにとどまらず、ナレッジを活用したマーケティングコンサル事業を展開している。9月2日に開催された「MarkeZine Day 2020 Autumun」では、SHIBUYA109 lab.の所長を務める長田麻衣氏が登壇。コロナ禍で若者のSNS活用に生じた変化を、生の声を拾いながら解き明かした。

初対面の相手とは「Instagramアカウント」の交換から

 株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング機関「SHIBUYA109 lab.」では、around20(15歳から24歳の男女)を対象に、彼らの価値観や実態を把握する活動を行っている。毎月200名もの若者と直接会って話を聞き、コロナ禍の現在はオンライン上で週に2、3度グループインタビューを行うなどして得た知見を、自社のマーケティングに活用するだけでなく、他社に向けたコンサルティングや勉強会、レポートの作成に役立てている。

 SHIBUYA109 lab.の所長を務める長田麻衣氏はまず、around20の若者によるSNSの活用目的として「友人とのコミュニケーション」「友達作り」「情報収集」の3つを挙げた。最近は、初対面の相手とはメールアドレスやLINEといった連絡先より先にInstagramのアカウントを交換するのが若者の間で主流となっているのだという。

株式会社SHIBUYA109エンタテイメント マーケティング戦略部 SHIBUYA109 lab.所長 長田 麻衣氏
株式会社SHIBUYA109エンタテイメント マーケティング戦略部 SHIBUYA109 lab.所長 長田 麻衣氏

 また、リアルでの出会いだけでなく、Instagramのフィード投稿を見て自分と似た雰囲気や趣味、いわゆる「バイブス」を感じる相手にDMを送って仲良くなるというケースも珍しくない。実際、長田氏がSHIBUYA109の館内で声をかけた若者のうち、3割程度はSNSを通じて知り合った者同士であるという。そのほか、行きたい場所や欲しいものなどを検索するためにもSNSは使われている。

 男女計600名のaround20に「情報の収集場所」を聞いた調査では、男女で傾向に差が見られた。男性がTwitterや検索エンジンなどテキストで情報を収集する傾向が強いのに対し、女性の場合はInstagramの使用率が男性の約3倍と圧倒的に高く、口コミも重視していることがわかる。

around20の情報収集場所(タップで拡大)
around20の情報収集場所(タップで拡大)

参考にするのは“真似しやすい”人

 興味深いのは、彼らが参考にしている人だ。around20の若者は、テレビで活躍している芸能人よりも、身近な友人やフォロワーが数千人のインフルエンサーなど、親近感があって真似しやすい人を参考にする傾向が強い。長田氏はその理由として、「自分たちの手が届く範囲で憧れや理想を実現していく、頑張りすぎない若者の指向性」を指摘した。

 around20の若者が主に利用しているSNSはTwitter、YouTube、Instagramだが、彼らはそれらの使い分けにも長けている。公式の情報や詳細な内容を知りたい場合はTwitterを使い、テキストで情報を収集する。流行りのメイク方法や洋服の着まわし方法など、ハウツーが知りたい場合は過程のわかりやすいYouTubeが使われる。そしてカフェやおでかけスポット、ファッションアイテムなど、ビジュアルで見たい情報はInstagramで収集する。求める情報に応じてSNSを使い分けることは、若者にとって自然なことだという。

around20の情報収集場所(タップで拡大)
SNSの使い分け(タップで拡大)

 「around20の若者たちが最も意識しているのは、失敗しないことです。限られたお金でやりくりしなければならない彼らは、自分が価値を感じたものにしかお金と時間を使いたくないので、購買行動を起こす前に情報収集を入念に行います。消費のメリハリをつけるのが上手な世代なのです」(長田氏)

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/11/09 07:00 https://markezine.jp/article/detail/34534

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