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「創造性を働かせないマーケターは絶滅する」今後10年で起こる、5つの変化/MarTechレポート

創造性を働かせないマーケターは2030年に絶滅する

 最後に、“人間とマシーンの調和”について。これは、先に述べた4つのポイントすべてと繋がりを持つ点であり、BtoBのマーケティング担当者であれば必ず知っておいて欲しいところだ。今後マーケティングアプリやソフトウェアが“No code”で作れるようになることを前述した。このような技術の進歩と、機械学習やAIなどの技術革新により、業務内容がAIなどに取って代わるのではないかと不安に感じるマーケティング担当者が増加している。

25-40才の”若手”と41才以上の”ベテラン”マーケターへ行った機械学習とAIに対する意識調査結果
25~40才の“若手”と41才以上の“ベテラン”マーケターへ行った、機械学習とAIに対する意識調査結果

 25~40才の若手マーケターの半数が機械学習やAIなどの台頭に強い懸念を示しており、41才以上のベテランマーケターでも30%が何かしらの懸念を持っているという調査結果も出ている。

 またブリンカー氏は、2020年7月に主に英語圏で話題になったAI「GPT-3」について触れ、今後のマーケティングの一部がAIや機械学習によって行われる未来をデモンストレーションした。

 こちらのデモンストレーションは、マーケティング担当者が行う業務を一例にとり、「large text in red that says “WELCOME TO MY NEWS LETTER” and a blue button that says “subscribe”(“ニュースレターへようこそ”を大きな赤色の文字で表示し、購読するというボタンをつける)」という文章を打ち込み、GPT-3が判断しデザインを作成。合わせて埋め込み用のコードを作成する、というもの。

 ご覧いただければわかると思うが、文章の意図を理解して、アウトプットを作成し、さらにはコードまでを準備している。またGPT-3は、自身でブログ記事を起こすことも可能で、複雑性の低いトピックであれば考察なども文章化することができるという。もちろん翻訳記事などは大得意だ。

 筆者の感じるところでは、このようにマーケティング担当者が行ってきた作業レベルの仕事は、近い将来120%確実に機械学習やAIが行うようになり、人間がすべきことは様々な視点を組み合わせた戦略を練り価値を高めることになるのは間違いない。先ほどの統計データでより多くの若手の方が強い不安を感じているのも、おそらくそのような作業的タスクを主な業務としているからではないかと容易に推察できる。

マーケターの進むべきはどこなのか?

 このトレンドを見てみて、ご自身のマーケティング業務やマーケティングテクノロジーの世界が将来“ウォータースライダーの様に皆が楽しめる世界”になると思えただろうか。

 誤解されることを承知でお伝えすれば、目線が低く、作業だけ行うマーケティング担当者は確実にウォータースライダーに乗ることができないだろう。一方で、目線が高く自己成長意欲の高く新しいことを貪欲に吸収しようとしているマーケティング担当者は縦横無尽に活躍できる時代が近づいているのではないかと思う。

 機械学習やAIが台頭し、顧客体験最適化の実現のためにマーケティングテクノロジーもさらなる進歩をする。この様な複雑化した状況下で成長をするには、戦略に基づいたマーケティング活動を行うことはさらに重要度が増す。

 その状況で活躍するには、マーケティング担当者も複合的な強み、目線の位置を高くするなど、自分自身独特の得意分野の重ね合わせで自身を進化させる必要があるのではないだろうか。

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この記事の著者

戸栗 頌平(トグリ ショウヘイ)

株式会社LEAPT(レプト)
代表取締役

複数BtoB企業と起業を経て、マーケティングコンサルタントとしてBtoB専業マーケティング代理店へ従事。その後、外資SaaSのユニコーン企業の日本法人立ち上げを行い、法人営業開始後マーケティング責任者として創業期の日本法人を牽引。現在、LEAPTにてBtoBマーケティング支援事業を行う。海外SaaS、マーケティング、カンファレンス等に精通。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/11/13 08:00 https://markezine.jp/article/detail/34754

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