対等な関係でいたいから、デートはアバウト割り勘
まずは仮説1「Z世代のデートでは割り勘が当たり前?」についてです。
今回調査したカップルが1日で使った合計金額は5,000円程度でした。2人の間で支払いはどうしているのかを尋ねてみると、「きっちりと割るわけではないけれど、付き合って行く中でなんとなく半分ずつになるようにしています。ランチで彼のほうが多く払ったら、カフェでは私のほうが多く払うとか。そんな感じです」(彼女)とのこと。
彼氏のほうが多く払っている日もあれば、彼女のほうが多く払っている日もある。計算はかなり雑だけど、気持ち的にイーブンでいられたらそれが一番居心地よいとのことでした。
Z世代より上のY世代(1980年代~1990年代中盤までに生まれた世代)、X世代(1960年代~1980年代に生まれた世代)にデートでのお金事情について尋ねてみると、「男性が払うのが当たり前だった」「男性が女性のために頑張る風潮があった」「男性が奢らないと、デート代も払わないと噂された」という意見が多数返って来ました。
調査したZ世代カップルのお金の使い方はY世代、X世代とは随分違うようですが、彼らのやり方はZ世代にとって一般的なものなのでしょうか?
Z世代27名にカップル間でのお金の使い方についてアンケート
dotメンバー27名に、デートでかかるお金についてアンケートしてみたところ半数以上が「割り勘にしたい」と回答。それ以外のほとんどが「その他」を回答するという結果になりました。「その他」を選んだ人の中では、相手に合わせたいという意見やその時々によってベストなやり方にしたいという意見が目立ちました。どちらにしても、カップルのどちらかが負担するという考えはごく少数意見のようです。

デートで使うお金はアバウト割り勘
具体的に、デートでのお会計場面はどのような感じなのか、Z世代会議で詳しく聞いてみました。すると今回調査したカップル同様、アバウトな方法で割り勘をしているという意見が多く聞かれました。
大学3年生Hちゃん
「割り勘がいいと思っているけど、実際はその場の雰囲気です。前回払ってもらったから、今回は私が払うとか」
大学2年生Kくん
「割り勘派だけど完全には割り勘ではないという感じです。イーブンでいたいけど、1円単位で計算するのも違うかなと思います」
大学2年生Kちゃん
「1日かけて割り勘にするイメージです。デートで払った総額が気持ち的に半分になったらいいかな」
その場その場で割り勘にするというよりも、訪問先ごとに交互に払うという方法をとっているカップルが多いようでした。金銭的にお互い平等でいたいけど、デート中にそこまでお金のことを意識したくないというインサイトがありそうです。
Z世代のカップルが割り勘でいたい理由
奢ってあげていた、もしくは奢ってもらっていたというY世代、X世代の方にも、その理由を尋ねてみました。
Y世代女性
「付き合う前のデートでは相手に出して欲しいなという気持ちがありました。払いたくなかったわけではないです。私のために時間を使ってくれたと思いたかったのかもしれません」
X世代男性
「バイトで稼ぎが同じでも、男性が払うというのが常識だったと思います。私自身は奢りたいとか特にそういうこだわりはなかったのですが、周りがそうだったのでそうしていました」
男性がデート代を払うというのが半ば当たり前だったY世代、X世代のデート。当時の金銭的な問題以上に、その時代の考え方が大きく影響しているように感じられます。
では、Z世代はどのような価値観のもと、割り勘スタイルを採用しているのでしょうか?
高校2年生Hくん
「割り勘にしたいのは、モラハラ彼氏になりたくないからです。お金を払ってしまうことで上下関係ができたら嫌だと思います。平等な関係でいたいです」
大学3年生Hちゃん
「奢ってもらうと気を使って疲れます。お互い大体収入は同じなのだから、奢るとかいいよって思います。奢ってもらうとわかっていると、食べたいものではなく、安いものを頼んでしまうこともあります」
大学2年生Kくん
「相手に奢りたい人っていうのは、2人の関係性ではなく恋人がいること自体に満足しているのかな? と思ってしまいます」
もちろん、年齢や収入に大きな差があるカップルの場合は余裕のあるほうに頼るという人もいました。しかし、基本的には金銭面が気持ちに影響しない関係性、対等な関係性というものを求めているようです。
【発見1】Z世代のデートではアバウト割り勘が基本。男女問わず割り勘にしたい理由は、対等な関係でいられることが一番居心地良いから。一方で、アバウトに割っているのはデート中にあまりお金を意識したくないため。
