製造業支援の知見から、制度設計や業務プロセス改革まで支援
――ISIDでは、ダイキン情報技術大学の計画段階より同学をご支援されているとのことですが、本プロジェクトにおける御社の業務領域について教えていただけますか。
久保田:ISIDにはAIソリューションの開発やプロジェクトマネジメントを担う、「AIトランスフォーメーションセンター」という組織があります。AIやデータ活用の分野にてコンサルティングやプロダクト開発を行うメンバーで構成されています。私はその中でもAI関連のプロジェクトに特化した「AIコンサルティンググループ」に在籍していて、データサイエンスにおける戦略策定と実行部分を主に担当しています。
本プロジェクトにおいては、ダイキン情報技術大学の開講以前、初期の計画段階から支援に携わってきました。現在は、支援を行うISIDのメンバーもさらに増え、受講生がプロジェクトを進める上で直面した課題や、技術的な問題についてアドバイスを行う他、報告会の講評など、PBLに寄り添う支援を行っています。
――PBL領域における御社の強みとは何でしょうか?
久保田:一言でいえば、「ITにおける実現力」だと思います。
ISIDは日本におけるCAD、CAEの普及など、数十年にわたり製造業の支援を行ってきました。単にシステムの知識があるだけではありません。長年に渡り培った設計・開発業務そのものへの知見により、組織までを含めた深い課題認識ができるコンサルタントを多く有しています。このことから、システム部分だけではなく、業務プロセス改革やそれらを支える仕組み作りについてもお引き受けすることが可能です。
本プロジェクトにおいては、教育サービスだけではなく、業務プロセス改革の提案や要件定義、システム設計・運用までを包括的に支援できる部分が、我々の強みだと考えています。
PBLのノウハウ部分をISIDが全面支援
――ISIDが、本プロジェクトを支援するに至った経緯を教えてください。
久保田:当社では本プロジェクトに関わる以前から、空調システムの故障予知に関するデータ活用についてダイキン工業様の支援を行ってきました。その後、ダイキン情報技術大学の前身となる、既存社員向けのAI技術開発講座において、PBLコンサルティングに携わったのが最初の経緯です。
そちらの支援をきっかけに、2017年の冬頃、教育プログラムの策定や研修の運営方針などを、最初から一緒に考えるところから支援できないか、とご相談をいただきました。2018年から既存社員向けのPBLを開始するにあたって、私はそれらを一緒に考えるところから携わりました。
PBLの大きな要素として、まずは実行計画を考えるフェーズがあります。取り組む課題は何で、目指す結果は何で、誰が使うのか。どのようなアルゴリズムを用いるのか。まずは、課題からゴールまでをしっかりと明確化するところから支援を始めました。
――既存社員向けの講座がパイロット版となり、現在のダイキン情報技術大学へつながったのですね。
下津:はい。当時はまだ新入社員向けではなく、既存社員向けの講座でした。我々がPBLに関するノウハウを持っていなかったため、ISIDさんへ全面的なご支援を依頼しました。
――ISIDを、コンサルティングとして起用するに至った決め手は何だったのでしょうか。
下津:AIの知識や製造業への深い理解はもちろんですが、組織や人のことをしっかり考えてくれる会社だと感じたからです。単に一つのプロジェクトを成功させるのが目的ではなく、プロジェクトを取り巻く組織や人がどう成長していくべきか、という部分まで考えられていて、我々から依頼していないことについても進んでご提案いただける点が好印象でした。
あとは、久保田さんをはじめとした担当者の方々の人柄ですね。こちらのお願いに対して、基本的に「お断りします」ということがないんですよ。親身になって考えてくれる、真摯に対応してくれる点に魅力を感じました。