リード獲得に特効薬はない。土台固めが成果につながる
──広告代理店の広告運用担当から事業会社のマーケターへ転身されて、どのような変化を感じますか。
“広告の限界”を知りました。広告代理店時代は、顕在化したニーズをお持ちのクライアントが多く、広告運用を最適化できれば、コンバージョンが増え、売上も伸びていました。一方でビザスクの市場は、まだまだ認知を広げる段階です。有識者にインタビューし、ビジネス課題を解決するスポットコンサルの価値を、もっと周知しなければなりません。この、認知拡大の難しさや新しいサービスを導入いただくハードルの高さは、広告のみでは対応しきれないと痛感しました。ありとあらゆる手段を使って、お客様との接点を作っていくことが必要です。転職し、マーケティング活動の全体を捉えられる環境に身を置いたことは、自分自身の大きなターニングポイントだと思います。
──現在はBtoBマーケティングの体制構築に取り組まれているそうですね。
はい。去年の夏にインサイドセールスが立ち上がり、本格的なBtoBマーケティングの体制を整え始めています。しかし、初期は広告を出稿しても見込みリードすら取れない時期があり、リードから商談へどうやってつなげたらいいのか悩む、苦しい時期が続きました。特効薬はなく、ホワイトペーパーの発行やセミナーの開催など、施策を繰り返しながら正攻法を見つけ、少しずつ土台を底上げしていきました。次第にリード獲得や商談成立の成果が出始め、次のステップにつながっていることが実感できましたね。このような基盤を作れていたことで、コロナ禍でもリード数や商談数が順調に伸びています。展示会やリアルなセミナーはできなくなった一方、自社企画のウェビナーによる集客が増えています。50人や100人規模のウェビナーから始まり、多い時では1,000人近い申し込みをいただくこともあります。最近は、外部のスピーカーに登壇いただく回もあり、規模を拡大して、実施できるようになりました。
ビザスクは、マーケティングとセールスの距離が近く、リードの良し悪しなどについても、頻繁にコミュニケーションを取る環境があります。よく言われることですが、マーケティングチームは、「目標のリード獲得数を達成したからOK」ではなく、インサイドセールスの目標にも貢献できているかを考えなければなりません。同じ目線で、同じ方向に向かって仕事ができるチームは重要ですし、今後も意識していきたいです。
今年3月の上場などもあり認知は少しずつ広がってきましたが、現在注力しているのはビジネス戦略上のターゲットとしている、大手企業に向けた施策です。またテレビCMなどのマス向けの施策も、いつかは検討したいと思っています。ビザスクは、様々な使い方ができるサービスであるがゆえに、「これだ!」と一言で表現するのが難しく、ここに認知獲得の難しさがあります。入り口の認知施策と、サービスをより深く知っていただく施策の両方を確立したいですね。