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BtoBマーケティングの開拓者たち

臨界点まもなく!境目がなくなる営業とマーケティング

ウェビナー成功・失敗の分岐点は?

 マーケティング施策のオンライン急速に移行する中で、一気に頭角を現してきた手法がウェビナーでした。セミナーの代替というイメージがありますが、コンテンツとしては動画のほうが近いのでは、というのが私の見解です。PCやスマホから視聴参加しているので、セミナーに出ている感覚よりもテレビやYouTubeを観ている感覚に近く、そうなるとリアルのセミナーとの差別化ではなく、動画との差別化が必要になってきます。

 セミナーの延長線上で、完全主観の自社PRを1時間流しても、視聴者には観続けてもらえません。そう考えるとウェビナーのコンテンツでは、集客層にとって興味深い社会性のあるテーマ、客観性とおもしろみのあるストーリーが大事になってきます。

 対談形式や座談会形式にして見せ方を工夫するなど「テレビ番組のような作りでありながら、刺さる人には刺さるニッチなテーマを扱う」というのが、ウェビナーのコンテンツイメージに近いです。もしくは、チャットでリアルタイムにコミュニケーションがとれる点を活かして、今しか観られないコンテンツや今しかとれないコミュニケーションを届ける。リアルタイムの希少性が、動画にはないウェビナーの存在意義です。私たちも何度もウェビナーを開催していますが、カンファレンス並みに人を集めても、リアルな会場を用意する必要がない。受付や誘導も必要ない。準備が手軽。このあたりにウェビナーのメリットを感じています。

 たとえば、2020年4月に開催したインサイドセールス業界のトップランナー3人をお呼びした座談会形式のウェビナーは、準備期間1週間。打ち合わせはチャットと本番前の10分のみ。H2H(Home to Home)形式で全員自宅から参加。この手軽さで広告宣伝費をかけずに700人以上の集客に成功しました(図表1)。

図表1 4月23日に開催したウェビナーの実績
図表1 4月23日に開催したウェビナーの実績

 ウェビナーは企画にひとひねり必要で、それさえ実行できれば有効なマーケティングチャネルとして機能します。

 ただ裏を返せば、視聴者側もテレビ番組を観るように手軽に参加できるので、情報収集が目的の層やなんとなく観にきている層が圧倒的に多いのもウェビナーの特徴です。これだけではマーケティング施策としてはワークしづらい。案件化しにくいリード獲得手法というチャネル特性も押さえておく必要があります。ウェビナー開催後に、インサイドセールスでいかに時間と工数をかけて良質なコミュニケーションを重ねられるか。施策が成功するか、失敗するかの分岐点はここにあります。ウェビナーはインサイドセールスとセットで、はじめてワークする施策と言えます。

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この記事の著者

高井 伸(タカイ シン)

 起業家として2009年より活動。多くのプロダクトを立ち上げ、現在手がけるBtoB向けのクラウドサービス「サスケ」は導入企業を1,500社まで拡大。ジョイン当時からARRは40倍以上を計上。現在所属するインターパーク社へは2015年に自身も出資を実行し経営参画。経営のわかるマーケターとして大手企業やベンチャー企業を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/12/25 14:45 https://markezine.jp/article/detail/35129

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