他業種との交流から販路拡大へ
向山:では、実際兵庫Twitter会に参加したことで、何ができるようになったのか、実際にビジネスに結びついた例があるのかをうかがいたいのですが、実績は結構ありますよね。コミュニティを通じて、企業間の関係性を構築できたからこそ実施できたことが多数あると思います。
青木:私も実感しているところですね。普通に営業しているだけでは到達できないような、新しい販路をTwitter経由で見つけられています。

2018年からTwitter「ラジオ関西広報担当のつぶやき」を担当
青木:現在、コロナ渦において、企業のSNS活用がより活発になっていますよね。その土壌から新たなビジネスパートナーを見つけたり、新しい取り組みの相談をしてみたり。
私は営業部としての恩恵を感じていますが、担当部署ごとで得られるものは違ってくると思います。
赤穂:そうですね。マーケティング部に所属している私としては、広告で伝えるほどではないけど、メッセージとして伝えたいことを伝えられる場が得られたなと思っています。
企業として、伝えたことはたくさんあるんですよね。でも、それをすべて広告で発信しようとすると膨大なコストがかかります。
Twitterは無料で発信できますし、そもそもコミュニケーションツールなので、ちょっとしたことを気軽に伝えられる特性があると思います。その気軽さに加え、コミュニティに参加することで、メッセージの伝わりやすさ、拡散性が増しているなと感じていますね。
こむらさき:私は、普段通常業務をこなしている中ではなかなか出会えないような、異業種の方と兵庫Twitter会経由で交流して、結果発注につながっています。

こむらさき醸造は大正14年創業、兵庫県北部を中心に醤油やお酢、タレやめんつゆ、ふりかけを製造販売している
こむらさき:自主制作アニメーションを作っている方とやりとりしている中で、その方のクラウドファンディングプロジェクトの返礼品として、特注ラベルをあしらったこむらさきの醤油を使いたいと言っていただけたんです。もし公式Twitterを運用していなかったら、このような機会は生まれなかったなと思います。
「中の人」の個性の表現にはルールが必要
向山:次に、Twitterの中の人としての個性の出し方について議論したいと思います。個性の出し方のバランスは難しいところだと思いますが、皆さんはどのようなスタンスを持たれているのでしょうか。
赤穂:企業アカウントの個性は、「中に人がいる」と感じてもらうために出すべきだと考えています。Twitterはコミュニケーションツールであり、人と人がいることで成立します。商品宣伝ばかり一方的に発信する、ロボットのような企業アカウントに出会っても、話しかけようとは思わないですよね。
なので、話しかけたいと思わせるような人格が存在すると感じてもらうために個性を宿す、その考えを軸に運用しています。
青木:そもそも、会社の存在も個性の塊ですからね。会社としての人格を表現しない手はないと思います。当社は、Twitterの中の人が12人ほどいます。それぞれバラバラの内容を発信していては人格が形成されないので、アカウントのキャラクター設定をしました。40代男性で優しそうみたいな。
これから企業が生き残っていくためには、企業として、商品としての個性が必要です。その個性を発信して、同調してくれる人にどれだけ出会えるかが大事ですよね。
こむらさき:当社も、ある程度投稿の方針は決めています。これはつぶやいてOK、これはダメというものをある程度決めて、ポジティブリスト・ネガティブリストに分類。ポジティブリストの中で、社風に合わせた内容をつぶやいていけば、それが個性になると感じています。