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dotグラフィで探る、Z世代のホンネ

インスタ投稿は激減、コト・モノ消費ともに「量」から「質」へ コロナ禍で変化したZ世代の価値観

インスタの投稿頻度は激減、背景にある3つの理由

 次は仮説2「コロナ以前よりもInstagramへの熱意が増しているのでは?」です。

 dotメンバーに遊びの模擬計画を立ててもらったエスノグラフィでは、思い出をとても大切にしようとしている姿勢が見られました。「動画を撮って編集したいね」「イラストを描いて残すのもいいね」など手の込んだ計画を立てていました。

 人と会ったり、外出したりというのが貴重になった分、思い出をシェアするInstagramへの熱も上がっているのではないでしょうか? Z世代会議でInstagramと現在どのような付き合い方をしているか尋ねました。

インスタの投稿頻度は激減

 Z世代会議で12名にInstagramの投稿の変化について尋ねると、そのうち9名が「ストーリー並びに投稿の頻度が減った」と教えてくれました。24名へのアンケートでも過半数が「投稿は減った」と回答。仮説とは逆を行く結果になりました。その理由には3つの要素があるようです。

インスタ投稿が減った理由1:外出することへの引け目

大学3年生・Nちゃん
「投稿しなくなったのは、外で遊ぶことに罪悪感を抱いているからです。他人が外で撮っている写真を見ても何も思わないけれど、自分が投稿する時には引け目を感じる。もう投稿してもいいかなという時期が永遠にきていない感じです」

大学2年生・Mちゃん
「自粛警察が怖くって、本当に載せたいもの以外は極力載せないようにしています」

大学2年生・Aちゃん
「コロナなのにこれってどうなの? と思われるのが怖くてストーリーは一切あげなくなりました」

 Instagramの投稿が減った理由としてまず挙がったのがこのようなものです。他人が投稿しているものに対しては特に何も思わないけれど、自分は控えるという意見が多くありました。世間の目を気にしてまで投稿するモチベーションはないようです。

インスタ投稿が減った理由2:インスタとの間に精神的な距離が生まれた

大学2年生・Mちゃん
「自粛でインスタに投稿するものがなくなり、見るだけになった期間がありました。その時に、人の投稿を見ていてインスタって自己満なんだなと改めて感じちゃって。冷静に過去の自分の投稿を振り返ってみて、とてもくだらなかったなと思ってからインスタと少し距離ができたと思います」

大学3年生・Nちゃん
「コロナ前もそこまで投稿してなかったんですけど、友達とご飯に行ったら投稿していました。でも、コロナで投稿頻度が減ってインスタにあげることへの特別感が増しちゃって。友達と会っても今は投稿しないし、どんどんハードルが上がっています」

 自粛で一度インスタから遠ざかって、そこからインスタを再開するきっかけが掴めないという人や、投稿が減ってインスタへの特別感が増しさらに投稿が減るというスパイラルにハマっているという声が目立ちました。自粛によって生まれたインスタへの心の距離が今もなかなか埋められていないようです。

インスタ投稿が減った理由3:不特定多数にシェアすることに意味を感じなくなった

大学2年生・Mちゃん
「インスタだけでつながっている関係性の人と本当に会わなくなったし話さなくなったので、別にインスタで知らせなくてもいいやみたいな。良いことやおもしろいことがあったら直接仲のいい友達に連絡します」

大学2年生・Mちゃん
「コロナで人間関係が狭くなって思い出を大切にするようになったので、不特定多数にシェアするのではなくて一人一人と共有するようになりました」

大学4年生・Mちゃん
「大学があって友達と毎日顔を合わせていた時は何気ない投稿から会話が生まれて楽しかった。シェアする相手とあまり会わなくなった今は、シェアしても反応がないしあまり意味を感じないです」

 ステイホームが基本となり、自分から会おうと働きかけない限り人と会う機会がなくなった今「本当の友達と、そうでない人とコロナによってふるいにかけられた」「人間関係が狭まった」という声をよく聞きます。もう会うことも話すこともなさそうな大多数の人に、何気ない日常をシェアする意味を感じられなくなったようです。

【発見2】
インスタへの投稿が激減している。その理由には、コロナ禍で遊ぶことへの引け目に加えて、インスタと心の距離ができてしまったことや不特定多数にシェアする意味を感じられなくなったことなどがある。

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Z世代の多くが自然を求めるように

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この記事の著者

渋江 みのり(シブエ ミノリ)

1998年生まれ。青山学院大学心理学科4年。
2018年からdotで活動を始め、現在はdotのメディア部として活動中。大学卒業後、dotに入社予定。
 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/10 08:00 https://markezine.jp/article/detail/35234

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