SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

定期誌『MarkeZine』特集

D2Cは、EC事業と何が異なるのか?

ブランドの余白は大きすぎず、小さすぎず

――顧客からのフィードバックを元に製品やサービスをアップデートしていくのも、D2Cブランドの特徴ですね。

 そうですね。ただもちろん、何でもかんでも顧客に合わせていけば良いというものでもありません。ブランド関連で良く耳にする課題として、ユーザーが増えていくなかで、ブランドイメージが独り歩きしてしまい、ときに「これはこのブランドらしくない」とユーザーから批判を受けたり、ユーザー同士で批判しあったりと“ユーザーの暴走”が起きてしまうというものがあります。中小規模のD2Cブランドにとっては、ビジネスにも影響を与えかねません。

 これらは、ブランドの解釈にずれが生じてしまったことで起きてしまう問題だと捉えています。解釈にずれが生じてしまうのは、解釈の余白が大きすぎるためだと思います。もちろん、最近の潮流として「他人の物語に振り回されるのではなく、自分の物語になるか?」という消費者心理が大きくなっているので、顧客自身の捉え方でいられるように、ある程度の余白があったほうが良いのですが、ブランドの大切にする考え方、スタンス、存在意義、また行動の理由などをサイトやSNSに明示しておくことが重要だと考えています。

 顧客との対話が途絶えると、ブランドイメージが独り歩きして変な方向に行ってしまうこともありますので、ユーザーと対話できる場をきちんと作っておくことも大切です。これはD2Cも既存もどちらにも当てはまります。

既存ビジネスもD2C化していく

――コロナ禍でオフラインの顧客接点が限られていくなかで、本格的にEC事業を開始されようとしているブランドも多いと思います。D2Cビジネスが拡大していくなかで、従来のECのあり方も見直されていくのでしょうか。

 そうですね、既存のビジネスもD2C化が進んでいくと思います。私自身は、D2Cはビジネスモデルというよりも「考え方」に近いと捉えており、なおかつ、既存のB2Cビジネスが本来志向していたのがD2Cのビジネスだと考えているからです。だからD2Cの手法のみを従来のEC事業でそのまま取り入れただけでは、変化は小さいでしょう。

 ブランドと顧客のD2C化とはつまり、顧客と双方向の関係性を作っていくということ。きっとどんなブランドにもお客様に感じてもらいたい想いがあって、でも実現できていないという部分があるはずです。まずは自分たちが届けたい価値は何かを見つめ直し、それを実現するための仕組みや組織、製品、サービスを考え、作っていくことからはじめていってほしいですね。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
定期誌『MarkeZine』特集連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/02/25 08:30 https://markezine.jp/article/detail/35530

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング