Zホールディングス(以下、ZHD)とLINEは、経営統合が完了したことを発表した。
この統合によりZHDグループは、国内で200超のサービスを提供するインターネットサービス企業グループに。国内総利用者数は3億超、国内総クライアント数は約1,500万、自治体との総連携案件数は3,000超、グループ従業員は2.3万人を擁することとなる。また「情報」「決済」「コミュニケーション」という日常生活の3つの起点を持つになった。
ZHDグループでは、中核企業の一つであるヤフーおよびLINEを中心とした「検索・ポータル」「広告」「メッセンジャー」を「根幹領域」と定め、引き続き推進するとともに、特に社会課題が大きくインターネットでその課題解決が見込める領域として「コマース」「ローカル・バーティカル」「Fintech(フィンテック)」「社会」の4つを「集中領域」と定め、集中的に取り組んでいく。
特に広告においては「Yahoo! JAPAN」「LINE」「PayPay」が連携することで、事業者向けに新たなマーケティングソリューションを提供する。
たとえば、「Yahoo! JAPAN」や「LINE」のメディア上などで広告を配信し、特定の商品を購入した方にのみ、改めてお得なクーポンを届け再購入を促すなど、効率的かつ継続的にアプローチすることが可能に。これにより、企業にとっては無駄がなく効果の高いマーケティングが可能となり、また、ユーザーは一人ひとりに最適化された、ノイズの少ないお得な情報を受け取ることができるようになる。
また、これらの領域にデータやAI技術を掛け合わせることでシナジーを創出し、ユーザーの日常生活、企業活動、社会自体をアップデートしていくとしている。AIを中心に各事業を成長させるため、5年間で5,000億円の投資を計画するとともに、5年間で5,000人のAIの活用に携わる国内外のエンジニアの増員する。また、既にLINEのサービス利用が多い台湾、タイ、インドネシアを起点とし、海外展開を図る。
今後のデータの取り扱いに際しては「わかりやすい説明」「国内法に基づく運用」「有識者による助言・評価」「プライバシー&セキュリティファースト」という4つのポイントを重視。Yahoo! JAPANとLINEとのデータ連携に当たっては、同意取得を前提に、徹底的にわかりやすい説明に努めるほか、各種の国際基準に準拠し安全安心の確保に努めると述べている。
なお発表と同日に、新たな経営体制を発表。新体制のもと、シナジー効果の創出と事業やサービスの成長を推進し、2023年度の売上収益は2兆円、営業利益は過去最高益となる2,250億円を目指す。