人生100年時代、「移住」はマルチステージ化探索の一手段
人は何故、移住をするのでしょうか? 移住にはそれなりのエネルギーとコストがかかるはずです。慣れ親しんだ場所に比べて苦労も多いかもしれません。それでも、人は、移住するのです。
以前の記事でも書いたように、長崎県壱岐島、長野県御代田町、北海道美瑛町とインタビューを重ねて来ました。美瑛町では自ら3週間の単身プチ移住を経験してみることもしました。そこから少しでも見えて来た“何故移住するのか”の答えは何でしょう?
「東京では一周グルっと大体のことをやり尽くしたので次は何をしよう、という気になりました」という趣旨のことを語ってくれたアラフォーの人がいました。「娘が社会人になり子育ても一段落して別のことをやってみようか思いました」と話したアラフィフの人もいました。そう見てくると、思い出すのは、“人生100年時代”と叫ばれるきっかけを作ったと言われる書籍『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(東洋経済新報社、リンダ・グラットン著)です。
グラットン教授は、人生100年と言われる時代には、従来の「教育―勤労―引退」という3ステージで考えるのには無理が生じ、より多くのステージを含む“マルチステージ”で考えるべきだと説きます。しかし、このマルチステージの中身は既定のものがあるわけではなく、それぞれの人がエクスプロア―(探索)する必要があります。
そのマルチステージ化の探索の1つの形が、移住なのではないでしょうか? 人生の次のステージに進んでみようとする時の回答の一つが移住だ、そんな風に思えます。