商品の購入に近いコンテンツから優先的にリライト
コンテンツが多い場合、どこからリライトするべきか悩むことが多いが、「商品の購入につながりやすいキーワード」を最優先としたい。そのキーワードの基準は様々だが、1番簡単な探し方は商品名のサジェストキーワードだ。
ミッド・インターナショナルの場合、ベルトならば「ベルト 切り方」「ベルト 種類」、Tシャツならば「Tシャツ 汗をかくと臭い」「Tシャツ 匂い」、などである。
検索順位7位〜15位のコンテンツなら少しの工夫で効果アップ
次に、それらのコンテンツを、検索順位に基づき優先度を付ける。この場合の優先基準は以下の通りだ。
優先度:高 → 7位~15位前後のコンテンツ
優先度:中 → 15位~25前後のコンテンツ
優先度:低 → 30位より下位のコンテンツ
検索結果が7〜15位まで上がっていれば、「ユーザーのニーズにある程度は応えられているコンテンツ」である可能性が高い。少しの対応だけで順位が改善する期待を持てるため、優先度を高と付ける。
「15位から25位前後のコンテンツは、検索ニーズを満たすトピックが欠けている可能性が高いのでしっかりリライト。それなりに工数がかかります」それより下の順位だと、「そもそも検索ニーズと内容が大幅にずれている可能性が高い。全面改修が必要となり、イチから作り直す方が早いかもしれません」と、前田氏は優先度の目安について説明する。
優先度:高のコンテンツの大きくは(1)タイトルの修正、(2)ページUIの修正の2つで成果が出た。「ベルト 切り方」のコンテンツは、親切な動画解説付きなのに、タイトルでそこに触れていなかった。そのためタイトルに(動画あり)という文言を加えたところ、検索結果でのクリック率が向上。検索順位は8位から4位へと大きくアップした。
また、 「Tシャツ 汗をかくと臭い」というキーワードのコンテンツでは、タイトルと一緒に、画像を改善。わかりやすい洗剤種類の表を入れるなどページのUIも改善したところ、検索順位が7位から1位へと躍進。
「タイトルに重要な文言を追加したり、画像に説明を加えるだけで変わります。ミッド・インターナショナルでは、コンテンツのリライトを20本行った結果、検索結果1ページまでに表示されるコンテンツの割合が47%から58%まで伸びました。ポイントを押さえてリライトすることで、ここまで効果をあげることができます」(前田氏)
自然検索流入が増え、広告費を2割抑えることに成功
ミッド・インターナショナルは、こうしたSEO施策の効果もあって、自然検索流入数が増加。ユニークユーザー数を1年で1.5倍に、CV(コンバージョン)数を1.4倍に伸ばした。集客チャネルで依存気味だった広告費を2割抑え、現在ではバランスの良い集客を行えるようになった。
同社では、コロナの影響で2020年春先に一時的に収益が落ち込んだものの、そのときに慌てずコンテンツを作り込んでいたため、秋口から利益も回復していったという。焦らず、できることから優先度を付けて着手したのが功を奏したのだろう。
前田氏は最後に、「せっかく良い商品、良いコンテンツをもっているのなら、ユーザーに伝わる工夫をして、たくさんの方に見ていただくことが大切です。また、デジタルコミュニケーションだからこそ温かいアプローチを展開することで支持を増やし、厳しい状況でも収益につなげていくやり方があります。私たちは、そこをお手伝いしたいと思っています」と述べ、講演を終えた。
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