明日からすぐに使えるSNS投稿のコツ
Q3.中の人の熱量を上げる方法は?
徳力:熱意を伝えるのって重要だと思います。中の人の熱量を上げる方法ってどんなことがありますか。という質問です。
花摘:わかりやすい例でいうと、毎年、新年のごあいさつというのをやっています。全国のすべての店長が新年のごあいさつを書いていて、個店ごとにポスターとリーフレットとを作り、サイトにもして、みなさんに発信しています。全国規模の飲食でやるのはなかなかないと思いますが、こういう中の人の声を届ける取り組みを地道に公式で紹介していくことが重要だと思います。
これは、インナーブランディングのヒーロー化にも近いかなと思います。私は、店長という仕事は舞台の主役だと思います。その人がいるから食べに行きたい、ということがチェーンであっても個人店と同じように起きているからです。そういう主役たちに前に出てもらい、声をしっかり届けていく場所を作ることで、中の人たちとしての熱量も高まっていきます。
徳力:わかりますね。これは、お店は当然こういう方向へいくでしょうし、これからはメーカーもこういう方向にいくのかなと思うんですよね。マスマーケティングの時代じゃなくなってきて。
Q4.どうやって好きを見つけるの?
徳力:今日のタイトルは「好きを見つけ、育てる」の「育てる」はよくわかりました。では、どうやって好きを見つけるのでしょうか、という質問。まだファンが少ない場合にどうやってファンになる人を探すのでしょうか。
出口:これまでのメインの企業SNSアカウントが「宣伝型で一方通行型」が多かったとすると、我々とカラビナハートさんが考えているSNSは「会話型(双方向)」をよしとしています。これは、フォロワーの方に聞いてもらうというより、ユーザーに対して「好き」を作りフォロワーになり、フォロワーが段々とファンになり、ファンが最終的にはブランドや企業について発話してくれるという形を理想とするものです。

出口:ここで好きを見つけるといっても、まだ繋がっていない好きになってくれそうな要素をもっている人をどう探すか。商品軸や、商品やサービスの体験で得られるベネフィットなどいろいろあります。それらは検索キーワードなどから見つけられるヒントがたくさんSNSにはあります。
花摘:今のお話を聞いて思い出しました。SNS担当あるあるだと思うのですが、エゴサーチをすごくしていると、「スープストックトーキョーでフリーズドライないかな?」「スープストックトーキョーに子供と行っていいのかな?」という、お客様からの声を見つけました。そういうときに公式で地道にお返事をして情報を伝えていくようにしていましたね。
自分たちの商品について何かしらの検索で調べている人は多いので、検索のワードを工夫したり、店舗同様で困っているお客様がいらっしゃらないかなというスタンスで常に向かったりします。インスタに比べると、ツイッターはキーワードで拾いやすいですね。
徳力:最後に、3人から、明日からすぐに使えるSNSの投稿のコツを話してもらっておわりたいです。
出口:ファンをSNSでもプロセスに巻き込んでいくようにすること。「新しいパッケージが明日決まりそうですが、皆さんはどっちがいいですか」でもいいですし、「こんな天気の日に食べてみたいのは何?」とか。意見を聞くと相互的なコミュニケーションが変わってきます。
吉田:私も以前やってしまったことですが、「期間限定」「一部店舗/地域では取り扱いありません」をSNSで書くのは逃げの言葉。お知らせしておいてそれでは、前段の文章が吹き飛んでしまいます。最低限、どこでは売ってるよ、何日までは食べられるよ、という役立つ情報に変えて発信してください。
花摘:私もそれは意識してきました。限定店はすべてわかるようにツリー表記にします。
わたしからのアドバイスは、スープストックトーキョーは特にですが、季節や相手の体調や健康を気遣う、というのはすごく大事だなと思います。お客さんに対して、「健やかにお過ごしください」「よい休日をお過ごしください」って伝えていくのを忘れないようにしたいです。今、特にそうした心遣いといいますか、柔らかな言葉を使っていきたいです。
徳力:今日は、いろいろとありがとうございました。