クッキーレスでも配信効率は良好、広告の再生完了単価はより安価に
「先進技術で、家族はもっと楽しめる」というメッセージで展開するルークスは、高速道路走行をアシストするプロパイロット機能や、足を使ってスムーズにドアを開閉できるハンズフリーオートスライドドアなどを搭載し、若い世代に人気の軽自動車だ。
「今回のプロモーションでは、育児世代の若年ファミリー層をターゲットとし、1つはTeadsのコンテキストターゲティング、もう1つは従来のCookieによるデモグラターゲティングで配信を行いました」と塚原氏は説明する。
コンテキストターゲティングでは、ターゲティング層を明確にするために、キーワードやカテゴリーを選択できる。今回は育児中の若い夫婦に向け、「Family & Parents」というカテゴリーを選択した。
広告配信終了後に成果を確認したところ、全配信の半数以上が「Family & Parents」に属するWebサイトに掲載されていることがわかった。そこで、掲載コンテンツの内容をより深堀したところ、子育て層が関心を持つ「エデュケーション」や「ヘルス」のカテゴリーを中心に配信されていることがわかった。特にヘルスのカテゴリーに関しては、平均に比べて2.5倍高く配信されていたという。
塚原氏は「我々が今回のプロモーションでメインターゲットとしたビギニングファミリーと親和性の高い掲載面に広告が表示されていたことがわかりました」と、成果には満足した様子を見せる。また実際に広告に接触した人(ユーザーインサイト)を調べたところ、ターゲットである若年層夫婦が多く含まれていることも確認できた。
その成果は、視聴時間にも反映されている。一般にソーシャルメディアの動画広告の平均視聴時間が1.7秒といわれるなか、今回のルークスでは、横長の動画広告(ランドスケープビデオ)の視聴時間が平均の4倍越えの7.3秒だったそうだ。
コンテキストターゲティングは、「人」ではなく「コンテンツ」をターゲティングする手法だ。今回の検証により、想定したターゲットにしっかりリーチできていることが判明したので、「今後につながる良い検証になりました」と塚原氏は評価する。
「Teads以外のほかの動画プラットフォームでも広告を配信して成果を比べましたが、動画の再生完了率も、Teadsと他社で遜色ない成果が出ています。なお、再生完了単価でいえば、他プラットフォームよりも安価という結果が出ました。誘導効率という観点でも、これまでと比較したところ、良いパフォーマンスを発揮できていると思います。今後クッキーレスが本格化した時の可能性としても、プロモーション手段にコンテキストターゲティングを活用できるのではないかと考えています」(塚原氏)
ブランドセーフティを担保した広告配信を実現
塚原氏が、今回の検証で良かったと挙げる点がもう1つある。それはTeadsのプラットフォームでブランドセーフティがきちんと担保されていることが、改めて確認できたことだ。
日産では、独自のホワイトリストを持っており、キャンペーンではそのリストを基に配信設計を立てる。今回はこのホワイトリストをTeadsと連携しながら配信を行ったが、これに加えてTeadsプラットフォームではプレミアムな枠や編集記事など実際の掲載面を視認できるので、広告配信に当たってブランド毀損のリスクはほとんどなかったという。
ちなみに同社は、動画広告についても、メッセージを伝えるための強制視聴は基本的には行わない方針で、これもTeadsのフォーマットと合致する。「スルーされるリスクはありますが、強制視聴はやはりネガティブな印象を持たれる可能性も少なからずあるので、理想的な形で広告の出稿ができていると感じています」と塚原氏は話す。