これからの男性スキンケアの動向を予想
今回は「年齢が若いほど女性用基礎化粧品、年齢が高いほど男性用基礎化粧品を購入する傾向があり、新型コロナウイルス流行によってその傾向はより強まった」ことが明らかになりました。しかし、この市場はまだ発展途上であり今後大きな変化があってもおかしくありません。この流れが続けばスキンケアに性別の垣根がなくなっていくかもしれませんし、あるいは、男性向けのスキンケアブランドや商品が今よりも確立していくかもしれません。
ここ最近は後者の勢いも強くなってきており、大手メーカー・ブランドから新たに男性向け商品が誕生したり、若年男性に向けたインターネット通販のみで購入できるブランド、女性とシェアできるユニセックスな商品が登場したりと、着実に男性向け商品のラインアップが増えています。これも“男性向けを使いたい、もっと商品を選べるようになりたい”というニーズに応えたものであると思っています。中高年層が選べる幅も広がりますし、若年層も真に若年男性の肌悩みに応えているものがあれば「男性向け」のほうがより手に取りやすくなったのではないでしょうか。
また、この市場をより活発にさせる後押しには「スキンケア文化の浸透と習慣化」が必要と考えています。少しずつ浸透し始めているものの、洗顔に比べて化粧水や乳液を使用している人は少ないようです。「洗顔→化粧水→乳液」という一般的なフローも多くの男性は知らない、または、なんとなく知っているけど自分には必要がないと思っている可能性があり、こういった人にどうやって情報を伝えていくのかが大きな鍵になると思われます。
「ニーズに応えられる商品が豊富になること」「スキンケアの方法がわかって、習慣になること」が同時に進むことで年代に関係なく、より多くの男性がスキンケアを自分ごととして捉え、関心が高まり、行動につながっていくのではないでしょうか。今回は化粧品について見てきましたが、他にも、市場全体が縮小しても伸びているサブカテゴリーや、あるいは想定とは異なるターゲットの購入などに着目すると、新たなビジネスチャンスが見えてくるかもしれません。