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コロナ禍でも伸びた!男性の基礎化粧品購入

 2020年は新型コロナウイルス一色の年でした。外出の自粛や在宅勤務の普及、外出時のマスク着用がスタンダードになるなど私たちの生活に大きな変化がありました。外食業や観光業を中心に厳しい状況に置かれた業界も少なくなく、化粧品業界もその一つでした。今回は化粧品業界の中で、市場が拡大している「男性による基礎化粧品の購入」について、新型コロナウイルス流行の影響を絡めつつ、今までとこれからを深掘りしていきます。

※本記事は、2021年4月25日刊行の定期誌『MarkeZine』64号に掲載したものです。

化粧品市場の現状

 まずは化粧品業界の現状について簡単に触れます。2019年までは前年並みから前年プラスで推移していましたが、2020年は前年比89%と大きくマイナスに転じました(図表1)。

図表1 化粧品の市場規模の推移(カテゴリー別)
図表1 化粧品の市場規模の推移(カテゴリー別)

 特にメイクアップは口紅が大きくマイナスとなり前年比73%となりました。外出機会の減少でメイクの頻度が減ったこと、外出時のマスク着用により口紅やベースメイクが薄くなった、または、使用しなくなったことが大きな原因です。

 基礎化粧品についてはマスクによる肌荒れのケアをするようになった人や、おうち時間が増えたことでスキンケアに力を入れるようになった人が下支えとなったのか、メイクアップより落ち込みは小さく前年比95%で着地しました。

 この環境の中、無視できないのが「男性による基礎化粧品購入の増加」です。数年前から男性のスキンケアは注目され始めており市場もジワジワと拡大していましたが、コロナ禍の2020年でもさらなる盛り上がりを見せました。「コロナは未来への時計を早めた」と耳にすることもありますが、男性による化粧品購入の拡大、ひいては、男性の美容意識の高まりもその一つではないでしょうか。

男性による化粧品購入の現状

 まず、男性による化粧品購入の現状を紹介します。男性による自分使用目的の化粧品購入額は2016年からの5年間で111%に伸長しており、コロナ禍の2020年も前年比104%でした(図表2)。

図表2 男性による化粧品市場規模の推移(カテゴリー別)
図表2 男性による化粧品市場規模の推移(カテゴリー別)

 シェービングは外出が減ったことによりわずかに落ち込みましたが、基礎化粧品は前年比107%と、化粧品市場全体の状況とは裏腹に大幅に拡大しました。ECからの購入も大きく伸び、薬局・ドラッグストアに次ぐ大きなチャネルとなりました。

 これは、新型コロナウイルス流行によって普及した在宅勤務が要因の一つになっていると言えそうです。2020年3月時点で在宅勤務をしている人としていない人で2020年の平均購入金額を比較すると、前者が前年比112%、後者が前年比102%と大きな差が生まれました(※)。この背景には通勤時間や飲み会にかけていた時間やお金をスキンケアに充てられるようになった、オンライン会議中に自分の顔を見る機会が増え、関心を持つようになったなどが考えられます。

 男性の場合、今までよりもお金をかけやすい環境になったことや新規購入者が増えたことで、新型コロナウイルス流行前からスキンケアを行う習慣がある女性とは異なる結果になりました。女性による化粧品購入の市場規模と比較すると小さな市場ではあるものの、今後、拡大が見込める市場と言えるのではないでしょうか。

※2020年3月実施インテージ自主企画調査。SCIモニター30,868人(うち男性は12,460人)が回答。

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この記事の著者

前田 彩(マエダ アヤ)

株式会社インテージ 事業開発本部 パネルリサーチ 事業開発部消費者グループ
2018年、株式会社インテージに入社。消費者パネルリサーチの運用・品質管理を担当し、主に日用雑貨や化粧品を中心に消費者の購買データに触れ、市場動向をウォッチしている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/04/28 08:30 https://markezine.jp/article/detail/36157

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