※本記事は、2021年5月25日刊行の定期誌『MarkeZine』65号に掲載したものです。
「フィットネスと暮らそう。」ビジョンを掘り下げて伝わるブランディングへ
(左)SOELU 代表取締役 CEO 蒋 詩豪(しょう・しごう)氏
早稲田大学出身。グリーを経て起業。ビジョン達成のために必要なあらゆる経営資源の調達を担当。CFO不在かつ類似企業ゼロの中、累計8億円の資金調達リードやIR、アライアンス営業、幹部採用をリード。今まですべてリファラルでCTO片岡・CPO越塚・BizDev執行役員苅部のアトラクトや元エムスリーキャリアCMO胡の巻き込みに成功。適材適所な採用とメンバーの成長機会を作ることに強いこだわりを持つ。座右の銘は「アカウンタビリティ×コミットメント」。
(右)SOELU 代表取締役 COO 白土聡志(しらと・さとし)氏
東京大学出身。グリーを経て共同創業。双方向型グループレッスンの独自価値を発明した「グループライブフィットネス」の第一人者。「0→1屋」として最速でPMFまで持っていく高速PDCA/グロースハックに再現性を持つ。また、自ら「毎日1%の改善を365日続けると38倍改善できる」を体現し続け、当社のケイパビリティである高速PDCAカルチャーの模範となっている。現在はCOOとして全社事業計画の予実を管理し、デジマ×マスマーケmix検証、シニア・男性拡張Proj.等の管掌役員として多部署にわたって執行をリード。
——まず、SOELUのサービス内容を教えてください。コロナ禍によってオンライン化したのではなく、元々オンライン専業なのですよね?
蒋:はい。2017年にサービスインしたSOELUは、家の中で運動を習慣化できる世界の実現を目指して、オンライン専業でフィットネスやヨガを提供してきました。ブランド名は、ユーザーに寄り“添える”ことに由来しています。
早朝5時から深夜1時までの多種多様なライブレッスンを月間6,000本、加えていつでも見られる多数のビデオレッスンを提供しています。ライブレッスンでは、講師からポーズの指導などが受けられます。複数の参加者と一緒に行いますが、お互いの姿は見えません。
健康は誰にとっても大事な要素で、運動はその柱のひとつですが、誰もが無理なくランニングやジム通いを続けられるわけではありません。仕事や子育てに忙しく、運動のために外に出るのが難しい人も大勢います。そこで、家にいるちょっとした隙間時間にフィットネスを提供しようと考えたのがサービス開発の発端でした。
僕と創業メンバーの白土の、慢性的な運動不足という課題も背景にありました。ヒアリングなどから同じ悩みを抱えている人も多いとわかり、サービス開発に結び付きました
——2019年12月にリブランディングをされていますが、その際に変えたことは?
蒋:SOELUの考え方や目指すビジョンは、まったく変わっていません。変えたのは、アプローチの仕方です。
目的は、メッセージやデザインなどをSOELUの実現したいビジョンが伝わるようにすることでした。それまでは経営陣に男性しかおらず、たとえば、ユーザーの95%を占める女性に対し、共感やワクワクを伝えることができていませんでした。気持ちの部分まで寄り添えていなかったと思います。そこでユーザーの気持ちに寄り添ったサービス作りや経営の経験を持つ越塚麻未を取締役に迎えて、SOELUとして実現したいことに共感できる丁寧な表現へと刷新しました。「フィットネスと暮らそう。」のコンセプトも、その際に改めて言語化しました。
ただ、それまではメディア露出も多くなく、自由な時間を持ちにくい30〜40代の子育て中の女性、また忙しく働く女性を中心に、主に口コミで伸びていました。たまたまリブランディングとコロナ禍への突入が重なり、メディアに注目していただくことも増えていきました。