SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

マスクを使った新しいファンマーケティング。ファンとバンドに活力与えたホルモンの新プロモーション術

アイドル商法にも見えた売り方の真意とは?

MZ:CDの収録曲が一部ランダム、パッケージに付いた金の亮君、銀の亮君を送ると特別なCDがもらえるキャンペーンなどを行っていますが、これは複数枚買ってもらうことを狙ったのでしょうか。

亮君:まあ、そういう商法と思われちゃいますよね(笑)。実は本質にあるのは、今のコロナ禍でマスクはまだまだ必須な世の中なのは目に見えていて、どうせならホルモンのマスクを長く使って欲しいという気持ち。つまり、普段使いから、ライブ会場でも使って欲しいので、マスクが古くなったら「おかわり購入」をしてもらいたいという気持ちがあったんです。

 でも今回は2号店のCDを売りたい狙いもある。なので、「おかわり購入」してもらうと同じCDが増えて無駄になる。ならば「やはりマスクだけで販売がよいか?」と考えると2号店のCDを売るコンセプトともずれてしまう。

 その悩みの無限ループの中たどり着いたのが、CDのバージョン違いや当たりくじ的要素を入れることによって、複数購入する際の、ちょっとしたお楽しみ要素になったらというアイデアでした。そもそも、僕らみたいなブサイクバンドが、ファンに数種類を大量買いしてもらうことを期待したアイドル商法を真似しても、ビジネスとして完全に負け戦になりますから(笑)。

 とはいえ、実際に複数枚購入してくれたり、3種類すべてのデザインのマスクを購入してくれたりする腹ペコガチ勢は存在しているので、そういった熱狂的ファンの気持ちに恩返しするべく、コロナ禍の今だからできるマスクを使った感謝祭イベントは最初から構想していました。

ファンの証。誰もやらなかった異常な購入者特典。

亮君:実際に、マスクを付けていれば多少顔出しのハードルも下がるんです。腹ペコ感謝祭第1弾「私を見つけて♡ホルモン」という企画では、日本全国の腹ペコにホルモンのマスクを付けた写真をSNSに位置情報と一緒に投稿してもらい、そこにメンバーが直接会いに行ったんです。重機の運転席に座った腹ペコから自宅の玄関先までサプライズで会いに行きました(笑)。

 結果、SNSでホルモンのマスク写真をPRしてもらえ、なにより顔の見えなかったSNSの世界だけでなく、腹ペコのみんなと直接顔をあわせて会話ができ、ライブ以外でも距離を縮めることができた。普通のキャンペーン的に握手イベントをやるよりも濃厚な時間が作れた。目の前で驚いて感動してくれて、いろんなことを話してくれて、それが活力になりました。

MZ:私の友人の中にもメンバーに会った人がいましたが、撮った写真を現像して家に飾ったりしていたので、腹ペコにとってはたまらないイベントだったと思います。すでに第2弾の企画も実施していますよね。

亮君:第2弾の企画では、3種類の中で一番派手だったデザインのHARD-CORE STYLEのマスク所有者を対象にしました。実はこれを「当たりマスク」に設定していて、このマスクを買ってくれた攻めてる人だけが応募できるレアイベントも開催します。

 僕らの普段練習しているスタジオに1~3名までの超少人数の貸切状態で、普段フェスでは絶対にやらないようなレア曲ばっかの「お品書き」(セットリスト)の中から自分で好きな曲を選んで演奏してもらえるイベントです。元々ハードコアバンドって自宅のガレージでライブをしたり、ステージのないところでフロアライブをしたりしているスタンスなんですよね。

 このイベントをきっかけにレア曲を久々にアレンジすることで、自分でも音楽的にいろいろな再発見ができて勉強のきっかけになりました。

 他にも、ログインボーナスといって、LIVE/FES参戦 STYLEのメタルポーズマスクを装着してくれたファンに、ライブプルーフという記念品を限定でプレゼントしています。日付とイベント名が入ったミニマグネットです。昔なつかしの旅行土産のペナントみたいに、自分のライブ参戦をアーカイブできるアイテムになったらと考えました。

MZ:先日のSATANIC CARNIVALで実は私もライブプルーフをもらいました(笑)。目当ての物販は買えなかったのに、ライブプルーフはもらえたのでなんだか不思議な気持ちになりました、無料で配る代物ではないです(笑)。

亮君:どれも誰もやってなかった異常なファンサービスだと思います(笑)。

次のページ
有料ファンクラブに対するホルモンファンの証。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/06/11 17:00 https://markezine.jp/article/detail/36483

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング