15年後の2036年、マーケティングはどのように進化している?
マーケティング専門メディア「MarkeZine(マーケジン)」の15周年を記念して、15年後の2036年、マーケティングはどのように進化しているか、またマーケターとしてどんな働き方をしているのか、読者の皆様からコメントを多数いただきました。
20代から50代まで、幅広い読者の方々からいただいた、未来への予想と展望を発表します!下記はほんの一部ですが、ご投稿いただいた皆様、ありがとうございました。
未来の小売りはこんな世界(20代)
消費者はスマホやスマートグラスにレコメンドプッシュ通知で好きなブランドの新製品の情報を取得します。スクロールせずとも視線の動きで画面が動き、瞬きでボタンをクリックすることができます。商品を買う前に個人情報が詰まったマイルーム空間に遷移することもでき、アバターで仮想空間のショップモールに出かけ、いろいろなECサイトの仮想店舗で試着することができます。
購入はレジを通さずに決済処理ができ、商品はリアルな世界にすぐ届きます。消費者が何を見てどこ経由で購入したか企業はすべてウォッチし、次の案内に備えます。着なくなったり、使わなくなったものは、自宅で管理せずクラウド上のマイルームに保存することができ、ものを極力持たないことが可能になります。マイルームでは着せ替え、古着出品、スタイリストサービス、などを利用することができます。
正しく必要な知識に触れる機会に恵まれることを期待(20代)
今以上にWebマーケティングの需要が高まり、広くその知識と技術が浸透します。個としても、企業としても何かしらの価値を誰かに提供する上で必須スキルと認知されることは間違いないと考えています。TwitterやFacebookなどに次ぐ媒体も増え、今後はさらにビジネス、プライベート問わず様々な活用法が編み出され普及するでしょう。
数年前まではTwitterでビジネス活動をする者はいませんでしたが、今では随分と浸透しています。それと同じことが今後はもっと増えていくと予想します。義務教育並みに大人も子どもも、マーケティングやビジネス、経営に関して正しく必要な知識に触れる機会に恵まれることを期待しています。
マーケターという価値自体は陳腐化する(20代)
アフターデジタルの話でも述べられていますが、オンラインとオフラインのマーケティングを切り分けがなくなり、オフラインでもデジタルが活用され、オンラインでもオフラインの体験ができるようになります。それは都市部だけではなく、地方でもその流れが出始めている状況になるでしょう。
特に近年ではコロナで加速したデジタル化もそうですが、地方創生のスマートシティ化構想として、デジタルが日常的になり、マーケティングの手法も大きく変化していくことが予想されます。
ただし、基本的な概念は変わらず、コトラー先生の人気は2034年でも変わらないでしょう。また、そもそも「マーケティング」という概念自体がビジネスの基礎として組み込まれていきそうです。たとえば、必要としている顧客にマッチした商品を提供する意味合いとして、営業部門でもマーケティングの概念が用いられるでしょう。
なので、マーケターという価値自体が今よりも陳腐化すると思います。全員がマーケターとなり、その中で職種が広告なのか解析なのか、マスなのか。一般的にはオンラインとオフラインの切り分けはなくなりますが、職種としてはテクノロジーの発展に比例して、さらに細分化していくと思います。
マーケターの守備範囲の拡大(30代)
マーケターが、企画と開発ディレクション、クリエイティブディレクションまでやるようになるでしょう。分析は自動化し、施策のクオリティがより求められるので、「企画屋が企画だけやる」「制作担当が制作だけをやる」という時代は終わってると思います。
SNSを用いた専門領域特化型コミュニティでの情報収集が加速(30代)
テレビやPCなどを持たない世帯がさらに増加し、SNSを用いた専門領域特化型コミュニティが数多く形成され、欲しい情報はそこで収集するようになります。AR、VR、MRがさらに発展し、欲しい商品の体験やイメージが簡単に収集できるようになるでしょう。
マーケターの仕事は経営寄りのプロデューサー職へと変貌を遂げる(30代)
社会的にはSDGS等によりエコ&サスティナビリティへの意識や取り組みがもう一段上のステージに移行していくでしょう。その影響は顧客の消費行動にも如実にあらわれ、顧客による企業の選別がさらに加速すると思います。
個人と企業が直接つながり、マーケターの仕事は市場予測やインサイドセールスといったものから経営寄りのプロデューサー職へと変貌を遂げると予想します。私も時代の変化を先取りし進化し続けられるよう日々MarkeZineで学習してまいります。
アイデアと協業で切り開く、フリースタイルな活動が主流に(40代)
パラレルワークが非常に一般的なものとなり、多くのマーケターが複数の所属先でスキルを磨くようになると思います。特にNPOなどのソーシャルセクターに人気が集まり、人材交流などの研修も多くなるでしょう。マーケティングの主流は大量の予算を投下する広告活動からアイデアと協業で切り開くフリースタイルな活動が主流となると予測します。
マーケティングの手法がソフトウェアに組み込まれる(40代)
PLG(Product-Led Growth/プロダクトがプロダクトを売る)が標準になり、ソフトウェア>MAになるでしょう。マーケティングの概念自体は不変ですが、手法がソフトウェアに組み込まれると思います。
マーケターの働き方としては、プロダクトマーケティングマネージャーが台頭するでしょう。また、当事者に関係のない無駄な広告メールやウェブ広告は淘汰され、よりパーソナライズされていくことを期待します。
「マーケティング」という言葉は、ある意味空気になる(50代)
「インターネットで買い物する」「インターネットで調べてみる」など、今では「インターネット」という言葉をわざわざ使いません。同様に「マーケティング」という言葉は、ある意味空気になるでしょう。
MAは無料のブラウザやOSのようにあたりまえになり、基本的な運用はAIが自動で行い、顧客獲得から販売まで行うようになると予測します。マーケターはそのプロパティをどうするか決定する役割を担うでしょう。
マーケターは2極化していく(50代)
消費者行動もデータとして解析でき、AIもしくは、その延長となる技術での提案型になるのではないでしょうか。マーケターも今の職種というよりは、さらにイノベーション化を進め、2極化していくと思います。