進む採用の二極化
現在、コロナ禍で転職に不安を覚えて守りの姿勢に入った転職希望者と、冷静に市場を判断して攻めの転職する転職者が二極化しています。同様に、企業の採用活動も二極化しました。
コロナの影響が深刻化してきた2020年3月~5月頃、企業は売上予測や採用可能人数の見通しが立たなくなり、採用ポジションの優先順位の見直しを行いました。そして多くの企業で、即戦力だけを採用する「厳選採用」の動きが進みました。候補者のレジュメ(職務経歴書)を見て「昨年なら書類選考を通していたけど、今の状況では厳しい」と、採用担当者から耳にすることもしばしばでした。
一方で、競合他社が中途採用の保留・凍結をしている状況を逆手に取り、採用を強化した企業もありました。特に中小企業や、ネームバリューの高くない企業は、通常なら大手企業に流れてしまう優秀な候補者を獲得する絶好のチャンスだと捉え、 早期に中途採用を再開しました。
転職先として興味のある企業の採用姿勢を知ることは、キャリアプランの実現のために有効です。企業の採用姿勢やその背景を見極めることが、入社後の仕事内容や、自身の活躍に影響することを覚えておきましょう。

転職を考えてもいい人
繰り返しとなりますが、具体的なキャリアゴール/キャリアプランが設定できている人は、希望する業界や企業の状況を調べた上で、転職活動を進めていいと考えています。

コロナ禍で需要が上がったポジションやスキルなどについて自分で調べるのが難しい場合は、多数の企業の採用担当者と直接話をしている転職エージェントなどから情報収集するのが効果的です。ぼんやりとしたキャリアゴールがあるが実現の方法が分からない、自分のスキルの活かし方が分からない場合なども、気軽に転職コンサルタントに相談してみるのがおすすめです。
転職コンサルタントの仕事は求人 の紹介だと思われていることが多いですが、それだけではありません。一緒にキャリアゴール/キャリアプランを考えるビジネスパートナーだと考えてみてはいかがでしょうか。自分のことをよく理解してもらえれば、いざ転職を考え始めた時に適切な仕事を紹介してもらいやすくなります。
コロナで自分の強みを活かせなくなったケース
コロナを背景に現職で自分の強みを十分に活かしきれなくなってしまった場合は、転職を一つの選択肢として視野に入れておくことも重要です。企業の危機的な状況下でポジション変更を余儀なくされた方も見受けられます。これまで築いてきたキャリアやスキルが全く活かせない場合、宝の持ち腐れになってしまいます。
あなたが強みとしてきたマーケティングスキルは、企業によってはさらに評価され、即戦力として重宝されることもあります。業界内だけではなく、異業種における自分の強みや価値、活用方法を考えてみるのも一つの方法です。中途採用において、企業は自社にない経験・価値観・ネットワーク・スキルなどを外部から獲得することを求めています。
自身の強みを活かした、具体的な転職の成功事例を紹介しましょう。
業績悪化時に売上をV字回復させた経験のあるマーケティングマネージャーは、コロナ禍で売上や利益が下がった企業でチャンレンジする絶好のチャンスでした。また、短期間で効果的なECプラットフォームの立上げを得意としているデジタルマーケティング担当者は、コロナ禍でオフラインの売上に限界を感じている企業にとって喉から手が出るほど欲しい人材であり、優位な条件で転職を進めることができました。
