今後はクロスチャネルの考え方がより重要に
最終パートでは、オプトECチャネル戦略部部長の山岡氏が登壇。進化するECマーケティングにおいて、今後重要になる点について語った。
経済産業省の調べによると、国内のEC市場は19兆円を超えており、その市場は年々増加している。

特にコロナ禍に突入してECを活用する新規ユーザーが大幅に増加している。加えてコロナ禍の影響により多くの企業がEC事業に参入しており、顧客に見つけてもらうことすら困難な状況だ。こうした爆発的な需要増加において、企業はどのようにしたらECを活用したプロモーションで勝ち残っていけるのだろうか。
「今ECの取り引きは、『ジェトロ世界貿易投資報告』2017年版によると約半分がAmazon・楽天・Yahoo!ショッピング3つの大きなモールで占められています。大半がECモールを通じてモノが買われている状況のため、今後の展開においてECモールを外してマーケティングプランを考えるのは難しいと考えています」(山岡氏)

さらに山岡氏はモールの活用状況について次のように述べた。
「詳しく見ると、楽天市場を使っているユーザーの最低でも60%、Amazon利用ユーザーの最低でも60%は二つのモールを活用していることがわかりました。それほどECモールを複数使うこと当たり前というような状況です」(山岡氏)

たとえば、Amazonは検索性が高くレビューも充実しているため、Amazonで買いたい商品を検討することも多い。また、その後ポイントを貯めるために楽天で購入するケースもある。その他にも、楽天は画像が充実しているため楽天で検討しAmazonを活用してスピーディーに届けてもらうといったケースも考えられる。ユーザーは各ECモールの特徴を理解し、それぞれのニーズに合わせながら活用しているという。

こうした状況を考えるとAmazon広告を活用してAmazonでの売り上げがどの程度上がったか、といった各ECモール単体での評価が難しくなる。この状況を踏まえ山岡氏は最後に、今後のECを活用したマーケティングで欠かせなくなることを解説し、セッションを締めくくった。
「今後は各ECモールを一つ一つ単体で最適化する、あるいはAmazonだけ、楽天だけ出店するのではなく、すべてを横断して最適化することが重要になってきます。それぞれのECモールの特性を活かして施策を投下していくことが求められます」(山岡氏)