「誰に何を伝えてどうなってほしいか」を考え抜く
――現在の取り組みの様子を教えてください。
ウェビナーに関しては、コロナ禍の長期化にともない、次のような項目についてチームで検討を続けてきました。
- ・一方通行ではなく、インタラクティブ性を持たせる
- ・映像の見せ方、演出。「ヤプリならでは」の見せ方
- ・「忘れられないように」「思い出してもらう」ための頻度やコンテンツ
2020年下期から2021年上期にかけては、デジタルマーケティング・モバイル(アプリ)のテーマに収まらない、「人間理解」や「インサイト」にまつわるコンテンツも企画してきました。このようなテーマで直接的なビジネス貢献を可視化することは難しいのですが、指標としては、ファーストタッチポイントやラストコンバージョンに限らず、リピートして視聴いただいていることや、受注後のお客様にも視聴いただいていることなど、「純粋な新規タッチポイントとしてのウェビナー」としての役割を超えた存在になっているかどうかを見ています。
そして2021年6月には、BtoB企業ながら、蔦屋書店などが入る商業施設「代官山T-SITE」にてPOP-UPストアを5日間オープンする、という企画も実施しました。
――型にはまらないコミュニケーションが印象的ですね。
特にウェビナーに関しては、あらゆるトライをしてきたと思います。ただし、グリーンバック活用や高価な配信機材を導入する、などの配信技術の「手段」にベクトルを向けるのではなく、コンテンツの質・量について、「リスナーの行動変容のきっかけとなるか?」という点を常に意識していました。これだけウェビナーが乱立している時代に、どんなに映像や演出が立派でも、視聴者の記憶に残らないコンテンツであれば、それは、「伝わっていない」ことと同義です。現在は「毎週水曜日17時〜の週刊化」と「月1の大型テーマ」という型が基本形となっていますが、これも、外部市場環境の変化や視聴者の就労スタイル、ニーズにより変化していくものだと思っています。
「誰に何を伝えてどうなってほしいか。」これは私が過去、BtoC企業でのメディアコミュニケーションで意識していたことですが、BtoB企業においても変わらない本質的なことだと感じています。
