外食、中食、内食すべてに対応したコンテンツを
MZ:では、実際にどのような番組を作り、生活者へのコミュニケーションを行ったのか教えてください。
岡田:今回もこれまで同様、書類・実食選考によりエリア代表メニューを決定しました。紹介動画を制作し、一般の方によるWeb投票により、上位3メニューが決勝大会であるABEMAの番組に進出。平野レミさんや別所哲也さんなどの審査員による実食審査と視聴者による投票で日本一のナポリタンが決定しました。

岡田:これまでは「ナポリタンスタジアム」の特設サイトを開設していましたが、今回は「みんなのナポリタン」というポータルサイトを開設しました。これにより、「ナポリタンスタジアム」はもちろん、「お惣菜ナポリタン」や自宅での調理を応援する「令和のナポリタン開発部」といった、様々な情報発信をできるようにしました。
これに合わせ、特番内でも中食と内食を意識したコンテンツを展開しました。中食はあまり知られていないお惣菜のナポリタンのおいしさを紹介するコーナーを、内食は菊地亜美さんに料理が得意でない人でも簡単に作れるナポリタンを紹介してもらうコーナーを用意しました。
ナポリタンは老若男女に愛されるメニューなので、真剣においしさを求めるだけではなく、「見ているだけで楽しい!」「食べたい!作りたい!」と思ってもらえる番組を目指しました。
ABEMAと親和性の高い有名人をアサインし情報を広げる
MZ:ABEMAでの特番を話題化するために取り組んだ施策を教えてください。
岡田:反響が大きかったのは番組の告知CMです。これまでの「ナポリタンスタジアム」の場合、実施後どのような内容で、どのメディアが、いつ取り上げるかがわかりませんでしたが、今回は「4月29日ナポリタンの日に、日本一が決定!」とCMで事前告知をすることができました。
小売店や飲食店の方に「こんな内容で番組を放送するので、ナポリタンやトマトケチャップの関心が高まります!」と確定情報をお伝えすることで、売場作りやメニュー化と合わせた店頭での番組告知をすることもできました。
MZ:制作したCMはABEMA内でも流していたのでしょうか。
水谷:ABEMAの視聴者に広くリーチできるプランでCMを配信しました。当日のABEMAコメントで「CM見て来たよ!」という方もいましたし、事後に行った調査でもCMに接触して番組を視聴した人が多くいるという結果が出ているので、非常に効果的だったと思います。
MZ:店頭での告知やCM以外ではどのような告知を行っていたのでしょうか。
水谷:カゴメ様のTwitter公式アカウントとABEMAのTwitter公式アカウントで相互にコミュニケーションを取って番組を盛り上げる施策を行いました。カゴメ様では4月29日をナポリタンの日と制定しているのですが、「#ナポリタンの日がトレンドに入るわけない」と自虐的なツイートをしていたんです。それに対し、ABEMAが乗っかる形で「ナポリタンスタジアム」の告知をして、それがTwitter上で盛り上がりました。
岡田:カゴメでも自虐的なツイートは初めてだったのですが、これまでのツイートと比べても非常に反響が高かったですね。
水谷:また、話題作りの上で意識したのはABEMAならではの番組作りです。たとえば、「声優と夜あそび」というABEMAの人気番組でMCを務める声優の安元洋貴さんを審査員に起用しました。安元さんは番組の中でナポリタンが好きだとおっしゃっていて、「声優と夜あそび」の中で「ナポリタンスタジアム」の告知をしていただいたところ、当日多くのファンの方が番組を視聴していました。
岡田:ご提案いただいたキャスティングが結果としてとても良かったですね。仮に安元さんのファンが直接的なターゲットでなかったとしても、彼らの発信により、「ナポリタンスタジアム」の情報をターゲットに届けることができたと考えています。カゴメが直接伝えるのではなく、周辺にいるご家族や友人を介して情報を届けることも効果的というのは大きな気づきでしたね。
水谷:Twitter上の「ナポリタン」に関するツイート数の推移を見てみても、全体を通してSNSでのキャンペーンや番宣など様々な事前施策を行い、番組当日に大きく山を作ることができました。
