ラジオの生態系を崩さないコミュニケーションを
MarkeZine編集部(以下、MZ):BtoB向けの「STORES」でラジオタイアップをしたというのがとても意外だったのですが、どのような背景があったのでしょうか。
山﨑:元々僕がラジオ好きでよく聞いているんですが、ラジオのコミュニティが持つ熱量の高さにずっと注目していました。番組とリスナーの深い信頼関係に加えて、同じ番組を聞くリスナーの横のつながりも深いです。そのコミュニティとブランドの接点をうまく作ることができれば、非常に良い企業コミュニケーションが実現できるはずだと。
ただ、その一方で私もいちリスナーとして感じているのですが、番組の生態系を無視したタイアップ企画はむしろ嫌われるリスクの方が高く、なかなか踏み切れていませんでした。
しかし、「たまむすび」の元プロデューサーである阿部さん、「かまいたちの ヘイ!タクシー!」(以下、かまタク)の元プロデューサーの内田さんと出会い、両番組のリスナーの聴取態度を踏まえた企画を一緒に考え、今回タイアップを決めました。
MZ:元プロデューサーのお二人だったからこそ、良い企画が生まれたということでしょうか。
山﨑:ラジオの場合、リスナーとパーソナリティが作り出すラジオの生態系を崩さず、スポンサーとしてメッセージを伝えていくことが重要です。その生態系のバランスを一番理解しているのはプロデューサーさんや作家さんなどの制作陣なので、その経験があるお二人と腹を割って企画に向き合えたのは非常に良かったと思います。
radikoがマーケティングチャネルとしての力を強めた
MZ:STORESはテレビをはじめ様々な媒体で広告を見かけますが、ラジオを広告媒体としてみたときにどのような特徴がありますか。
山﨑:radikoの登場によって、ラジオは強力なマーケティングチャネルになったと思います。スマホでいつでもどこでも聞け、バックグラウンド再生もできるので、アプローチできる層も広がっています。また、先ほどリスナーとパーソナリティの生態系があると話をしましたが、非常に生活者との距離が近いメディアなので、正しくリーチできれば態度変容にもつながりやすいと考えています。
さらに、番組に関連したハッシュタグがTwitterでトレンドインすることも多く、SNSとの相性も良いんです。