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テレビCMで商談数が2倍に――会えない時代におけるSATORIのBtoBマーケティング戦略とは

普段の取り組みの効果を拡張する手段としてのマス広告

 MAツールは、すぐにPDCAを回すことができるのが大きな利点だ。相原氏はSATORIにとって初のテレビCM施策であった今回も、「普段やっていることをそのまま行った」と話す。

 マーケティングファネルの一番上の「認知」フェーズで、テレビCM、タクシーCM、ダイレクトメール、ブランドイベント、さらにCMで初回接触をした方向けの啓蒙活動としてCM連動育成セミナー。これらあらゆる施策を並行して取り組んでいるところがSATORIの取り組みのポイントだ。

 相原氏によれば、テレビCMは「必ずしも必要というわけではない、テレビCMに踏み切る前にまだまだできることがある場合も多くあります。自社のフェーズに合わせて、打ち手をすべてやり尽くしてから検討することがおすすめ」だという。そこには、企業のフェーズやデジタル戦略の構築度合いも大きく関わってくると続けた。

 「SATORIでは、MAツールで十分設計ができており、テレビCMによってコミュニケーション全体を底上げできるイメージができていました。目標も決裁者への認知と信頼感の醸成に振り切って、シンプルなKGIとKPIを設計しました。テレビCMは非常にコストがかかるので、まずはMAツールの活用などのデジタル施策を通じて、導線をしっかり設計した上での検討をおすすめします」(相原氏)

 SATORIのように、明確な目的と広告からのサイト流入の導線をしっかりと整えられているのであれば、テレビCMが他の施策との連動によって最大の効果が発揮されるということだろう。

非対面でのコミュニケーションを念頭に開拓

 さらにテレビCMは期待が大きく、特に初回はコストがかかるゆえにあらゆる目的を入れ込んでしまうため、冷静な目的設計が必要だと話す。「テレビCMはインパクトもあるため社内では非常に期待されていたのですが、テレビCMによってあらゆることが解決できるわけではありません。最も成し遂げたい目的を決めたうえで、副次的な効果を狙う程度がよいのではないでしょうか」と相原氏は語った。先にも述べた通り、MAツールで全体感が十分設計され、イベントなどのコンテンツも含めて既に用意があったゆえだ。その上でMAツールを軸にし、小さな改善を重ねることで結果に結びついた。

 コロナ禍で生まれた新しい生活様式は今後も続いていくことだろう。その中で非対面での顧客開拓、顧客コミュニケーションができるツールは今、ビジネスにおいて特に必要性を増している。

 相原氏は「非対面でお客様を開拓すること、コミュニケーションすることができるというのは、今、ビジネスにおいて1つの解決策になると考えます。多くの企業様に当たり前のように会計ソフトや労務管理ツールが入っています。ビジネスの起点となるマーケティング・セールスの場面でMAツールを当たり前のように使っていただければ」と語り、同セッションを締めくくった。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/19 11:30 https://markezine.jp/article/detail/37545

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