これまでのキャリアと現在のワークスタイル
志賀:こんにちは。MaVie代表取締役の志賀です。私は、MaVieで企業や経営者のコンサルティング、ブランディングを手掛けながら、主に女性のビジネスやキャリアブランディングをサポートする「MaVie Salon」を展開しています。この連載は、女性マーケターが、自身のキャリアを考える際のヒントを提供することを目的にお送りしています。今回は、子育てをしながらマーケターとしてご活躍されているお二人をお招きして、“産後のキャリア”についてお話しを伺っていこうと思います。はじめに、自己紹介と現在の仕事の環境についてお話しいただけますか?
加藤:資生堂の加藤です。2020年に資生堂に入社し、グローバルブランド「SHISEIDO」のコミュニケーションプランニングを担当しています。資生堂の前はキリンホールディングスのデジタルマーケティング部門で、同じくコミュニケーションプランニングを担当していました。
息子はいま4歳で、保育園に通っています。朝の通園は夫、帰りのお迎えは私と決めていますが、2人で協力しながら柔軟に動けていると思います。また、コロナ禍になり、基本的にはフルリモートで働いています。昨年の5月ごろ、保育園が閉まってしまった時は思い出したくないほど大変でしたが……。いまは自分の時間や子どもとの時間も長く取れるようになり、ワークフロムホームのスタイルで快適に仕事できていますね。
半澤:私は2009年に電通に入社しまして、以来12年間、社内での異動のみで働いてきました。最初は新聞局からキャリアをスタートし、事業開発、営業、マーケティングを経て、現在はプロデューサーとして事業開発やプロモーションを担当しています。
子どもは、小学校3年生の娘がおります。子どもの送り迎えはいまは夫と同じくらいの割合で行っていますが、産休から復帰した直後の1年間は、基本的に毎日夫がお迎えに行っていました。女性は1年間フルで仕事を休む分、上司や同僚への申し訳なさがあったり、1年分の情報のキャッチアップに苦労したりしますよね。そうした苦労は、どうしても一緒に体験してもらわないとわからないと思ったので、最初の1年間の送り迎えはすべて夫がやると約束していました。
志賀&加藤:すばらしい!
半澤:仕事はワークフロムホームができる状況にあります。子どもが外出する時に見送れるのはありがたいですね。
志賀:お二人とも家族のパートナーシップがあってこそですよね。私も現在4歳の娘がおります。自分で経営しているので働き方については柔軟性を担保できていますが、基本的には保育園に行っている間にギュッと詰めて仕事をしています。週数回はパートナーがお迎えも担当し、好きな時間まで仕事をしたり自分時間に充てたりしています。私もパートナーの協力には恵まれていると思います。
周りは男性社員のみの中での妊娠・出産
志賀:子育てをしながら働く上で、現在の環境はいかがですか?
半澤:出産をした当時は新聞局にいたのですが、約120年の歴史がある中で、現場の女性社員が出産するということ自体、非常に珍しいことで、部下が出産するのは初めてと言われました。上司や同僚も男性しかいない職場でしたが、皆さん一緒に喜んでくれて。同じ時期に男性社員の奥さまが妊娠されていたり、双子の育児経験があったりと、似た状況にある方が多かったこともあり、理解が得られず苦しむようなことはありませんでした。
電通は、産休育休に関して、しっかりとした制度があります。産前から産休・育休に関して社員と連絡を取る専門のチームもあり、福利厚生の案内などのサポートが手厚いですね。電通というと男性社員が多いイメージがあるかもしれませんが、男女比率は変わってきています。
加藤:資生堂は全体的に女性比率が高くて、入社した時は驚きました。その分やはり、子育てについては制度が整っており、社内での融通も利くのでとても働きやすいと感じています。