「ウマ娘」はゲームやアニメ・漫画が好きな層に加え、競馬ファンの取り込みにも成功
今度は、「ウマ娘」ユーザーの趣味や興味・関心事を見ていこう。図表6は、趣味、興味・関心事で全体との差分が大きかった項目をピックアップしたものである。

趣味では、携帯型ゲーム・据置型ゲームといったゲームの項目が高いのに加え、動画視聴(インターネット・配信サービスなど)や漫画が高い。「ウマ娘」はアニメからスタートし、その後ゲームアプリや漫画などのメディアミックスで展開されているが、アプリの「ウマ娘」ユーザーにおいてもこれらのジャンルを趣味として持つ人が多いことがわかる。また、それ以外では公営競技・パチンコ・パチスロなどの項目が高く、競馬については「ウマ娘」ユーザーの27%が参加している。「ウマ娘」のモデル馬は1980〜2000年代の名馬が多く、分析前は競馬ファンがプレイしているケースも多いのではないかと想定していたが(筆者もその一人である)、それを裏付けるデータとなった。
「ウマ娘」の各キャラクターのストーリーや個性は、実在の競走馬のエピソードをアレンジしたものになっており(往年の競馬ファンからすると、「サイレンススズカ」や「ライスシャワー」のストーリー展開は涙モノであるし、破天荒な「ゴールドシップ」の性格もなるほどと思わせる)、美少女ゲームを好む層に加えて、一部の競馬ファン層を取り込むことにも成功しているものと考えられる(もちろん、「ウマ娘」から競馬ファンになった層も一定数存在していると思われるが)。
その他では、パチンコ・パチスロの参加率も全体平均に比べると高めである。ゲームアプリからパチンコ・パチスロに展開した例では、「アイドルマスター」シリーズや「ガールフレンド(仮)」などの美少女系タイトルがあり、「ウマ娘」についても今後は同様の展開が考えられるのではないか。
興味・関心事においても、ゲーム、アニメ・漫画、公営競技・パチンコ・パチスロなどの3項目が全体平均より高く、興味分野がはっきりしているのが「ウマ娘」ユーザーの特徴といえよう。
【ブランドデータバンク調査概要】
調査主体:株式会社マクロミル
調査方法:インターネット調査
調査タイトル:ブランドデータバンク第33期調査「ブランドに関するアンケート」
調査対象:全国15~69歳の男女(マクロミルリサーチパネル)
割付方法:10代:調査対象の出現比率に基づき、男女×年齢(15~19歳)で割付
20代~60代:平成27年国勢調査による、性別×年代(10歳刻み)の人口動態割付
総サンプル数:n=31,197
調査期間:2021年7月30日(金)~2021年8月10日(火)【A-cube(アプリログデータ)調査概要】
調査主体:株式会社マクロミル
調査対象:全国15~69歳の男女、Androidデバイスを保有するスマートフォンアプリモニタ(マクロミルリサーチパネル)
調査方法:スマートデバイスのアプリケーション利用ログを収集
調査時期:2021年2月1日(月)~2021年8月31日(火)
有効者数:2021年8月 n=54,918(※各月変動)
割付補正:マクロミルが独自に推計するスマートデバイスインターネット利用人口にウェイトバックし集計
・本文の数値は四捨五入した整数で表記しています。
・百分率表示は四捨五入の丸め計算を行っており、合計が100%とならない場合があります。