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人生100年パートナーを目指して「顧客志向型組織」への変革に挑む野村證券

 野村證券は2019年4月、社内を横断してDXを推進するために「未来共創カンパニー」を設立。今年は営業組織の体制を「The PODs体制」に刷新し、企業起点の縦割りから顧客起点の横断組織に変革した。さらにマーケティング面でも、既存の組織図に組み込まれない“バーチャルな組織”である「マーケティングフォース」を立ち上げ、マーケティング機能が必要な案件や部署にメンバーが縦横無尽に加わって支援し始めている。こうした動きの背景と現在地について、同社の常務2名と主要メンバー、またアドバイザーを務める高広伯彦氏に聞いた。

※本記事は、2021年12月25日刊行の定期誌『MarkeZine』72号に掲載したものです。

約100人で構成する社内横断組織

(左から)野村證券 営業企画部 マーケティング企画課長 金城 正峰氏、野村證券 常務 営業企画兼デジタルマーケティング担当 湯原 裕二氏、スケダチ 代表/社会情報大学院 特任教授 高広 伯彦氏、野村證券 常務 未来共創カンパニー担当 池田 肇氏、野村證券 マーケティングフォース 岩田 慎一氏
(左から)野村證券 営業企画部 マーケティング企画課長 金城 正峰氏
野村證券 常務 営業企画兼デジタルマーケティング担当 湯原 裕二氏
スケダチ 代表/社会情報大学院 特任教授 高広 伯彦氏
野村證券 常務 未来共創カンパニー担当 池田 肇氏
野村證券 マーケティングフォース 岩田 慎一氏

――野村證券が社内カンパニーとして「未来共創カンパニー」を立ち上げられ、2年半が経ちました。まず、この組織の目的と業務についてうかがえますか?

池田:未来共創カンパニーは、営業部門、インベスト・マネジメント部門、ホールセール部門などの各部門やグループ会社などを横断するバーチャルな組織として立ち上がりました。新領域のビジネス開発やマーケティングなどを、部門間で連携し、柔軟かつスピード感を持って、お客様と価値を共創していくことを目指しています。

 そうした動きを強め、イノベーションを起こしていくには、デジタル活用は必須だと言えます。同時に、新しい価値を生み出そうとすると、自ずと複数部門をまたがる活動にもなってきます。そんな各種サービスのデジタル化を柔軟かつ軽やかに推進していくために立ち上げたのが、この部門横断の組織でした。当時、既に各部門でデジタルを活かした取り組みが進んでいたので、部門間の連携によって、それらが効率よく進むように後押しする意図もありました。

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池田:カンパニーでの具体的な取り組みとして、たとえば投資判断に役立つ情報をタイムリーに提供する、投資情報アプリ「FINTOS!(フィントス)」や、資産管理アプリ「OneStock(ワンストック)」などのデジタルサービスを開発・提供しています。

 活動を進める中で、2つの重要なポイントが見えてきました。ひとつは、人材です。前述のようなデジタルサービスを開発できる、デジタル関連のバックグラウンドを持った人材は、当社にはまだまだ不足しているので、そうした知見のある人材を外部から積極的に採用しています。

 もうひとつは、我々グループには長年培ってきた「対面接客の強み」がある一方、お客様にはデジタルで完結するサービスも重要になっているということです。ですので、オンラインとオフラインを連携して対面の接客を活かすサービスを提供していく一方で、デジタルで完結するサービスの開発もスピードを上げる必要があります。そのアウトプットの一例が、先ほど紹介したアプリで、今後もお客様のジャーニーを意識したデジタルサービスを開発していきます。

――どのような体制になっているのでしょうか?

池田:金融業界や当社の実情に詳しいプロパー社員が30~40人、デジタルの知見を有する外部から採用した社員が30~40人。そして今回同席いただいている高広さんのように、アドバイザーとして関わっていただいている方が30人ほどで、計100人規模です。特に外部からのメンバーは、金融サービスが初めての人もいれば、ネット専業の金融機関の経験がある人もいて、幅広いバックグラウンドを持ったメンバーに関わっていただいています。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/12/24 06:00 https://markezine.jp/article/detail/37965

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