TikTokで増える主婦・ママ層に、ワンハンドプッシュの魅力を届ける
MarkeZine編集部(以下、MZ):花王のアタックZEROでTikTokの活用に至った背景について教えてください。
山田:アタックZERO独自のワンハンドプッシュの特徴伝達にあたり、動画コンテンツとの親和性の高さや、TikTok上でターゲットボリュームが見込めることから、活用に至りました。
ワンハンドプッシュは、片手で簡単に洗剤を計量することができ、プッシュの回数に応じて量の調整も自由自在にできる商品です。そんなワンハンドプッシュについて、TikTok上で効果的に伝えることができればと考えました。
また、TikTok For Businessの南部様から「主婦・ママ層のTikTokユーザーが増えている」とうかがっていたので、子育て世代へのアプローチとして、チャレンジすることに踏み切りました。
MZ:TikTok For Businessの南部さんにうかがいますが、TikTokで主婦・ママ層が増えているのは本当なのでしょうか。
南部:実際にTikTokで主婦・ママ層は増加しています。AppAnnieの出しているデータ(2021年6月時点)では、TikTokユーザーの3人に1人は25歳から44歳で、さらに25歳から44歳の女性ユーザーにおける主婦の割合は4人に1人となっています。
また、弊社で主婦・ママ層にグループインタビューを行う中で、TikTokとの相性の良さを感じています。主婦・ママ層の方々は子育て中など特に忙しく、家事の合間のちょっとしたすき間時間にTikTokの動画を見ていることがわかりました。限られた時間で腰を据えて長尺動画を見る時間がなかったり、文字で情報収集するのもエネルギーを使かったりするため、TikTokのショートムービーが情報収集や自分のための癒やしの時間として非常にフィットしているようです。
親和性の高いTikTokクリエイターを活用した施策を展開
MZ:では、今回TikTokをどのように活用したのか教えてください。
山田:ぽるぽるちゃんという人気TikTokクリエイターとコラボレーションした動画を制作し、その動画を第三者配信する形で広告を出稿して、リーチを拡大しました。
動画制作にあたっては、ぽるぽるちゃんや南部様と綿密に相談をしながら作り込みました。動画内で自然な形でお洗濯の場面も組み込むことで、特徴の紹介だけではなく「ワンハンドプッシュを毎日のお洗濯の中に取り入れてみたい、お洗濯が楽しくなりそう、楽になりそう」と思ってもらえることを目指しました。
TikTokクリエイター起用時の注意点とは?
MZ:今回の施策の実施にあたり、どのようなポイントを意識しましたか。
南部:TikTokクリエイターを起用した動画の場合、共感を生むには広告色を抑えることが非常に重要になるので、その点は意識しました。加えて、広告色は抑えながらもきちんとアタックZEROの広告であることを認識してもらい、ワンハンドプッシュの特性がどのようなシチュエーションだと活きるのかを理解してもらう必要があったので、そこを踏まえたクリエイティブ作りを心掛けました。
具体的には、動画の冒頭はオーガニックライクに抑えつつ、テキストや動画の中盤で機能訴求を補足しバランスを取りました。たとえば、投稿文にアタックZEROの商品名や1プッシュで5g出ることを記載しつつ、動画の中ではお子さんを抱っこしながら片手で使うシーンを自然に入れるなど。これにより、ユーザーのアテンションは取りながら商品のことを訴求できるいいバランスで調整できたと思います。
@poruporuchan アタックZERO使ってみた1プッシュ5gだから抱っこしながらでも簡単 #pr
♬ Funny Whistling Train - Veaceslav Draganov ( Draganov89 )
MZ:広告配信に関しては、いかがでしょうか。
南部:TikTokの特性を踏まえ、ターゲティングを広めに設定して広告配信を行いました。今回の商材やプロモーション目的の場合、ターゲット層を広げたほうが共感も生まれやすいと考えたためです。また、今後のラーニングになるよう、ブランドリフト調査も実施させていただきました。
730万再生を達成、ブランドリフトにも寄与
MZ:施策によって得られた成果を教えてください。
山田:動画の再生数は、730万再生と私たちの想像を超える結果となりましたし、コメントからもユーザーさんの共感・興味喚起につながったことが確認できたので、リーチとエンゲージメント両方に成果があったと考えています。
南部:クリックやエンゲージメントに関しても、他の案件の平均と比較しても非常に高い数値となっていました。TikTokクリエイターの起用によって動画の内容を自分ゴト化してもらえたのだと思います。
また、ブランドリフト調査の結果に関しても広告認知が141%リフトしており、自然に商品を訴求しつつ、要所要所でブランド名を散りばめることが効果につながっていたとわかりました。
MZ:730万再生だと、一般的な動画と比較しても相当高いですよね。
南部:そうですね。通常PR動画のほうがオーガニック動画よりもエンゲージメントや再生数が下がりやすいのですが、今回商材とTikTokクリエイターの相性も良く、企画も上手くフィットしていたので、ぽるぽるちゃんのオーガニック投稿と比べても高いエンゲージメント率になりました。
アタックZEROの事例で見えた、TikTokの可能性
MZ:今回の事例を通じて得られた知見、学びはありますか。
山田:大きく2つの学びがありました。1つ目は、訴求を絞ることの重要性です。今回は、片手で簡単に洗剤投入ができる点に絞り、この訴求の最大化を狙って、ターゲットやクリエイターの選定、プランニングを設計しました。
2つ目は、コンテンツの作り方です。今回の取り組みでは、広告色が強すぎないようなバランスでクリエイターの波及力を活かし、オーガニックライクなコンテンツが制作できました。その結果、ユーザーさんの共感形成にもつなげられたと感じていますし、今後の施策にも役立つ示唆となりました。
南部:これまでも、花王様には日焼け止めや化粧品などいくつかのブランドでTikTokを活用いただいたことがありました。しかし、洗濯用洗剤のアタックZEROでは初めてだったので、今回成果を出せたことで、様々な商材でTikTokを活用できる可能性を感じました。
今後もアタックZEROの価値をTikTokで伝えていく
MZ:今後アタックZEROのマーケティングにおいて、TikTokはどのような役割を果たしそうでしょうか。
山田:ユーザー数が大きく伸びているプラットフォームなので、より多くの方々にアプローチできる可能性を感じています。また、コンテンツの質や視聴後の充実感・受容性が高い点も魅力に感じています。
また、今回の取り組みを通じて、TikTokユーザーの毎日の暮らしに関するTipsを求めていることも見えてきたので、今回の施策での学びを活かしながら、アタックZEROならではの価値伝達を進めていきたいです。
MZ:最後にお2人から今後の展望をお話しください。
山田:ここ1~2年で「洗濯の回数が増えた」「洗う量が増えた」といった声は増えており、今後も衛生への意識が高い状態が続くと思います。そんな、時代とともに変わりゆく清潔のニーズにしっかりと応えていくブランドでありたいです。
また、アタックZEROを通じて、「お洗濯は面倒くさい・大変」というイメージを払しょくし、お洗濯の楽しさや気持ち良さをお届けできたらと思っています。
南部:今後も花王様をはじめ、各ブランド様の成し遂げたいゴールに向けて、様々な形でサポートしていきたいです。今回はTikTokクリエイターを活用した事例でしたが、TikTok For Businessには様々な広告メニューがあります。それらを駆使して、より良い成果につなげていきたいです。
また、アタックZEROに関しては、次回はクリエイター配信以外のメニューを活用しながら大きく認知を獲得するご提案をしておりまして、今後もTikTokを通じてお洗濯をよりポジティブなものに変換できるよう、わずかながらも貢献させていただければと思っております。
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